附属総合ミュージアムで「ミュージアムサロン」が行われ、「なまぶしの押し寿司」や「いかなごのくぎ煮」をテーマに地域の生活文化が語り合われました。
2025/12/08
附属総合ミュージアムで11月28日、地域の人から生活文化を聞き取る「ミュージアムサロン」が行われました。
ミュージアムサロンは大学に地域の人を招き、小グループでおしゃべりしながら身近な歴史を掘り起こす調査研究の場として2012年から続いています。
今回のテーマは「食べ物」。「いかなごのくぎ煮となまぶしの押し寿司」を題材に地域の人が語り合いました。聞き取り役として学生(建築学部)2人、大学院生2人(生活環境学研究科、建築学研究科)が参加し、教員と手分けして記録を取りました。
「いかなごのくぎ煮」は鳴尾でも長年、親しまれた郷土料理ですが、最近はいかなごの不漁が続き、多くの家庭で受け継がれてきたくぎ煮づくりや、出来上がったくぎ煮を分け合う文化が途切れないか、心配されています。
参加者からも「前は作っていたけど、今はいかなごは高くて手が出ない」などの声が上がりました。
一方、鳴尾地域では「なまぶしの押し寿司」を作り、分け合う文化があることが、複数の人の証言から明らかになってきました。なまぶしを甘辛く炊いてそぼろにし、すし飯に混ぜたもので、祭り等で人が集まるときにふるまわれたようです。
こうした証言や記憶をもとに、甲子園口にある寿司店「さね松」が、なまぶしの押し寿司を再現。この日のサロンでふるまわれました。
参加者たちは錦糸卵などで美しく彩られた「なまぶしの押し寿司」を食べながら、「食べ物を分け合う中で、レシピが共有されたのでは」「昔は人が集まるときはたくさんお米を炊いた」など、思い出を語り合っていました。
建築学部の学生は「兵庫の出身だけどなまぶしの押し寿司は知らなかった。地域によって違いがあるんですね」と話していました。




