大学院建築学研究科 景観建築学専攻および建築学専攻の学生が、2026年度「JIA近畿支部学生卒業設計コンクール」で最優秀賞と佳作をダブル受賞しました。
2026/06/15
2026年度「日本建築家協会(JIA)近畿支部学生卒業設計コンクール」において、景観建築学専攻修士1年の月山杏菜さんが最優秀賞を受賞し、建築学専攻修士1年の尾下凜子さんが佳作を受賞しました。
本コンクールは、日本建築家協会(JIA)近畿支部が主催し、将来の建築家を目指す学生たちの集大成である「卒業設計作品」を評価し、今後の社会での活躍を期待して実施されているものです。今年度は近畿圏の建築系大学から学科代表の44作品の応募がありました。
5月24日に行われた公開審査会(一次審査を通過した8人が参加)で、月山さんと尾下さんの作品が高い評価を受け、受賞に至りました。2人は6月27日に行われるJIA全国卒業設計コンクールの近畿支部代表にも選出されています。
月山さんの作品「しおどき第十二刻」は土地の魅力を顕在化させる「増幅装置」としての建築とランドスケープの提案です。作品の舞台は山と海が複雑に入り組み、劇的な潮位変化を見せる長崎県五島列島の堂崎。本作では、信仰の復活の象徴である堂崎天主堂を本来の「祈りの場」へ還すため、新たな資料館の設計と「海上巡礼定期船」の導入による社会的循環の基盤を構築しました。船で訪れた来訪者は、潮位と光を目と足元で感じるスリットや桟橋、大屋根の下を巡り、かつての信徒と同じ海からの視点を得ることで、堂崎という土地に蓄積された記憶を追体験します。自然の振幅と同期し、訪れるたびに異なる表情を鮮やかに切り取るこの装置によって、堂崎の固有の力を未来へとつなぐ新たな風景を生み出しています。
尾下さんの作品「うさぎの背中を追った先に 毒ガス製造の歴史と平和な現在を巡る空間」はかつて毒ガス製造が行われ、現在は「うさぎの島」として知られる大久野島を敷地とした、戦争の悲惨な歴史と平和な現在を巡る空間の提案です。来訪者は、島内に点在する「実験道具とされたうさぎ」「加害者となった労働者の思い」「被毒者の苦しみ」をテーマとした3つの戦争の建築を巡り、特定の風景を切り取る借景展示や身体的な空間体験を通じて、負の歴史を追体験しながら山頂の「島の平和な日常の建築」へと導かれます。うさぎとふれあうにぎわいの空間から美しい島の自然景観と戦争の建築を俯瞰して望めるようにすることで、日常の平和の尊さを深く感じ島の記憶を定着させることを意図しています。
本コンクールの結果および記事は、日刊建設工業新聞(2026年5月26日)に掲載されています。




