盲導犬をパートナーに持つ女性が、共通教育科目「福祉の中で生きる利用者の能力」で特別講演しました。
2008/10/27
共通教育科目「福祉の中で生きる利用者の能力」(担当:中村和子講師)の10月27日の授業で、近隣に住む仲佐艶子さんがパートナーの盲導犬クルークとともに参加し、特別講演しました=写真=。
仲佐さんは「外出中に道に迷った時に、声をかけてくれたのが中村先生でした」と二人の出会いを説明し、視力障害者の立場から学生に語りかけました。
「目が見えなくて一番困ることは外を歩くことです」「盲導犬の役割は①段差を教えてくれる②曲がり角を教えてくれる③障害物を教えてくれる―の3点です。駅や店の近くで自転車を乱雑に止めていたり、車の片側の車輪を歩道に乗り上げて止めていたりして、盲導犬にとって仕事がしにくい環境になっています」「盲導犬は信号が分かりません。車の走る音や人の歩く音で私が判断して信号を渡っています。信号が青になったら教えてもらえるとありがたいです」
最後に「最近は『一緒に行きましょう』と言ってくれる若い人が増えてうれしいです。皆さんも恥ずかしがらずに声をかけてくださいね」と呼びかけました。受講した学生は「福祉住環境コーディネーターの資格を取ろうと思って、この授業を選択しました。バリアフリーの施設を作りたいと考えていましたが、今日の話を聞いて、まず人の心のバリアを取るのが大事だと感じました」と感想を話しました。
授業の初めに中村講師は「仲佐さんのそばにいるクルークは今は仕事中です。仕事中の盲導犬をなでたり、口笛を吹いて気を引いたりしてはいけません」と注意。講演の間、クルークは伏せの状態で動かず、学生らは「すごく訓練されていますね」と感心していました。