関西5大学連携事業(臨床医工学・情報学)のセミナー「プロフェッショナルを目指すキャリア開発の支援事業」が開催。産官学で女性の人材育成を考えました。
2010/02/14
第4回理系女性人材育成セミナー(兼第2回プレプロフェッショナル教育セミナー)が、2月13日、中央キャンパス学術交流研究館の大会議室で開かれ、産官学の立場から女性のキャリア開発をどう支援するかを考えました。
このセミナーは、文部科学省から戦略的大学連携支援事業に採択された関西の5大学(武庫川女子大学=代表校=・奈良先端科学技術大学院大学・大阪電気通信大学・大阪薬科大学・関西大学)が取り組む「広域大学連携による『臨床医工学・情報学』高度人材育成システムの構築」の主催、一般社団法人「臨床医工情報学 コンソーシアム関西」と大阪大学臨床医工学融合研究教育センターの共催で開かれ、本学学生や生徒、一般の方約60人が参加しました。
奈良先端科学技術大学院大学教授の湊小太郎氏のあいさつで始まり、兵庫県理事(男女共同参画担当)清原桂子氏が「兵庫県における男女共同参画社会づくりについて」と題して講演しました=写真左=。
農業社会だった日本が、高度経済成長期以降にサラリーマン社会へと変貌する中で、女性の役割や子育て、地域社会と人間関係がどう変わったかを解説し、兵庫県内各地域の家族構成や出生率、働いている女性の年代別割合、女性にとっての子育ての負担感といった現状の報告。男女雇用機会均等法や次世代育成支援対策推進法など法律や条例、社会への男女共同参画のための活動支援や子育て支援、仕事と生活の調和を図るための国や県の取り組みなどを説明し、「これからの社会では、男女が共に生活を担っていかなければなりません。どちらかではなく、一緒に責任を担う必要があります」と力説しました。
続いて、総合メディカル株式会社執行役員(人事部採用グループ)の谷川由利子氏(は「企業の視点における職業人として求める人財像と人財開発」と題して、採用や研修の現場での経験から、最近の新入社員の長所と短所を紹介。企業が求める“人財像”として、「責任感があり素直に誠実に取り組む」「感謝の心と謙虚な気持ちを持つことができる」「何事にもプラス思考で取りくむ」「自ら考え行動する」「気配り・目配り・心配りができる」コミュニケーション能力が高い」の6つを挙げました。
そして、これからの学生生活で学んでほしいことは、「幅広い年齢やタイプ、価値観の人と接し、自分と異なる“ものさし”があると理解すること」「教えられるのを待つのではなく、人の背中を見て覚える訓練」「プラス思考を会得する」「よき相談相手、聞き役を持つ」「叱られ慣れる、きちんと受け止められるようになること」とまとめ、「クラブ活動でもアルバイトでもいい。学生だからこそできる経験をたくさん積んで、社会に出てギャップが少なくなるような訓練をぜひしておいてください」と学生・生徒たちに呼びかけました=写真右=。
奈良先端科学技術大学院大学・男女共同参画室 室長補佐の布下正宏氏は「NAISTの女性研究者モデル事業の概要と男女共同参画室の役割」として、同大学における取り組みを報告。女性研究者の活躍できる環境作りを目指す「女性研究者支援モデル育成事業」の初年度の活動や今後の計画などについて紹介しました。