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お酒を飲める体質かどうかを、早く、安く調べる画期的な遺伝子検査法を薬学部の木下教授が開発し、記者発表。学生のアルコール健康教育に活用します。

2010/02/14

 お酒を飲める遺伝子タイプを持っているかどうかを早く、簡単に、安く調べる画期的な方法を、木下健司・薬学部教授が開発しました。若い人の飲酒事故は毎年のように繰り返されていますが、この検査はアルコール教育の大きな力になります。木下教授=写真右の中央=と林田真梨子・副手=同右=、薬学科4年の白石梨恵さん=同左=は2月12日午後、研究成果について西宮市役所の記者クラブで発表しました=写真左=。
 ※この記事は神戸新聞の2月13日付朝刊社会面に、翌14日には毎日新聞朝刊総合面に掲載されました。毎日新聞の記事はWebサイト「Yahoo!JAPAN」のニュースコーナーでもご覧いただけます。

 従来の遺伝子検査方法は、生体サンプルからDNAを抽出・精製する作業を行うため、検査結果がわかるまで約2日かかっていました。木下教授が開発した方法は、毛根や唾液、血液などの生体サンプルを直接、反応液に入れる方法です。DNAを抽出・精製するという過程が省かれるため、大幅な時間とコストを削減できます。検査時間は3、4時間、検査費用も従来の約10分の1の約500円を実現させました。本学院は、特許出願を済ませています。

 検査で判明した遺伝子型の組み合わせをもとに、木下教授は国立病院機構久里浜アルコール症センターの協力で五つの型のアルコール体質に分類。A型は「飲酒で赤くなる不快な反応が一番少なく……アルコール依存症患者に最もなりやすい。常習的な深酒注意!」、D型は「少量の飲酒で顔が赤くなる反応が起き、酒に弱い。たくさん飲むと食道ガンの危険がかなり高い」、E型は「下戸の体質で、ほとんど飲酒しない。お酒は毒物です。急性アルコール中毒に用心!」などと、体質とともに、タイプごとに留意点も記しています。

 木下教授はこの検査方法を用いて、本学学生の希望者を対象にアルコール体質検査を実施。被験者にアルコール体質を知らせるカードを配布しました。今後は、同センターの横山顕教授や京都府立医科大学の吉川敏一教授と共同して、人間ドックの受診者1万人にもこの検査を行います。一人ひとりの体質が分かることで、ぞれぞれに対応した、きめ細かな医療ができるようになることが期待されます。

 木下教授は「若い人のアルコール事故をなくすために、この方法を広く、大学・高等学校、企業などに普及させたい」と話しています。

 会見に同席した白石さんは「このアルコール体質検査方法で、遺伝子やDNAを身近に感じることができました。自分の体に興味をもつきっかけにしてほしい。私も将来、薬剤師として、この活動に貢献したいです」と話しました。

【遺伝子検査の概要】
 アルコールを分解する酵素の働きの強弱は、遺伝子のタイプに左右されます。具体的には「ADH1B」(アルコール脱水素酵素)の働きが弱い人はアルコールを分解するのが遅い『アルコール依存症になりやすい体質』、「ALDH2」(2型アルデヒド脱水素酵素)の働きが弱い人は毒素であるアセトアルデヒドの分解が遅い『二日酔いになりやすい体質』となります。今回、木下教授が開発した迅速・簡便な方法では、この2つの酵素の働きを左右する遺伝子のタイプを同時に判別することができます。

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