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本学が指定管理者の谷崎潤一郎記念館が「残月祭」を開催。谷崎と佐藤春夫について、河内館長やたつみ副館長らがパネルディスカッションを行いました。

2010/07/24

 谷崎潤一郎をしのぶ「残月祭」(主催:芦屋市谷崎潤一郎記念館、後援:武庫川女子大学、芦屋市、読売新聞大阪本社など、協力:新宮市立佐藤春夫記念館)が7月24日午後、兵庫県芦屋市のルナ・ホールで開かれ、「谷崎潤一郎と佐藤春夫 文豪たちに何があったのか~生涯の友情、名作を生む恋愛の真実に迫る~」をテーマにパネルディスカッション=写真右=が行われました。

 会場は約430人の参加者で満席。朗読グループRSTの北山たか子さんと紅野芙美子さんが文豪二人の恋文を朗読した後、パネルディスカッションが開かれました。パネリストは谷崎潤一郎記念館の河内鏡太郎・館長(本学図書館長)=写真中=、たつみ都志・副館長(本学日本語日本文学科教授)=写真左、佐藤春夫記念館長の辻本雄一館長、中公文庫の山本啓子・副編集部長。

 佐藤春夫は谷崎潤一郎の妻の千代に心をひかれ、谷崎は一度は千代と佐藤を結婚させてよいと考えましたが、千代と離婚しないことにし、佐藤と絶交した“小田原事件”について、たつみ副館長が解説しました。 辻本館長は「佐藤は千代に原稿用紙にすると56枚、2万3千字もの恋文を送っています。ドロドロしたものが背景にあった訳ですが、これが作品として昇華したのが『秋刀魚の歌』ということになるのでしょう」と指摘。

 山本さんは「このような恋文をもらうと、うっとうしいのでは、嬉しいだろうかと思っていましたが、朗読を聞くと、甘美な感じがし、印象が変わりました」と、文豪の恋文を再評価。 河内館長は「女子学生に、佐藤春夫のような恋文をもらったら、どう思うと聞くと、『着信拒否します』という答えが返ってきました。恋文は、今の時代からすると距離感があるかもしれませんが、改めて読み直すと、さすが二人はただ者ではないという思いを新たにしました」と話しました。

 さらに、たつみ副館長は「谷崎のルーツは交渉能力の発達していた近江商人。谷崎にも交渉能力があり、小田原事件でも谷崎の交渉能力、計算が働いていたのではないでしょうか」と、谷崎の生い立ちから事件に迫りました。

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