食物栄養学科の学生4人がつくった透析患者向けレシピが、製薬会社主催のコンテストで準グランプリに選ばれました。
2011/01/24
食物栄養学科4年の坂本敦子さん=写真左の右から2番目=、寺岡麻衣=同右端=さん、正木志歩さん=同左から2番目=、平垣佳奈さん=同左端=が考案した、透析治療を受けている患者向けのレシピが、バイエル薬品株式会社主催の「第3回バイエル・レシピコンテスト」で準グランプリに選ばれました。表彰式は3月13日に東京で行われます。
管理栄養士を目指している坂本さんら4人は昨年、病院での実習を共にしたメンバーで、その経験を元にレシピ作りに取り組みました。管理栄養士・栄養士養成校の学生を対象にした教育部門に応募し、今年のテーマ「ひな祭り」に沿って、「ひし餅寿司」を主食にしたオリジナルレシピ=写真右=を作りました。
腎不全の治療法である透析の治療を受けている患者の食事には、ある程度のエネルギー量を保ちつつ、たんぱく質や水分、リン、食塩、カリウムなどの量を少なくすることが求められます。坂本さんらは約1カ月をかけて、メンバーの間で意見を出し合い、自宅などで試作を重ねながらレシピを完成させました。最も苦労したのは減塩。塩分を控えてもおいしい寿司にするために、米にしょうが汁を加えて炊いたり、酢にスダチの風味・酸味を加えたりしました。また、日本の伝統文化であるひな祭りの楽しさを患者の方に感じてほしいという思いから、ご飯にピンク色のサクラデンブを混ぜたり、にんじんで形作った花を乗せたりして、見た目が鮮やかになるように工夫しました。
学生を指導した福田也寸子・食物栄養学科准教授=写真左の中央=は「このレシピが、患者様にとって食べることの喜びや楽しみを思い出すきっかけとなればいいですね」。坂本さんは「患者様やご家族の方々の苦労と辛さを理解し、その気持ちに寄り添うにはどうすればよいかを4人で話し合いながら、安全で楽しい透析食を目指しました」と話しています。