教育、情報メディア、生活環境の3学科の学生らが阪神鳴尾駅の北側に長~い壁画を描きました。「ムコナリエ(武庫鳴絵)」と糸魚川学長が命名。
2011/02/02
立体交差事業が進められている阪神鳴尾駅北側の防護塀に、学生らが長さ100mもある壁画(高さ3m)=写真右=を描きました。1月30日午前、学生10人と地元・里中町自治会の人々が壁画の仕上げ作業を行い=写真中=、2月1日には完成記念式典が阪神電鉄鳴尾工事事務所で催されました。
※このニュースは翌31日付の神戸、読売、2月2日付の産経各紙の朝刊阪神面で紹介されました。
壁画プロジェクトが発足
2010年4月に阪神南県民局から本学に壁画制作の協力依頼があり、学内で鳴尾巨大壁画プロジェクトがスタートしました。藤井達矢・教育学科准教授(専門:美術)、森幹雄・生活環境学科教授(専門:空間計画)、肥後有紀子・情報メディア学科講師(専門:情報デザイン)のゼミに所属する学生を中心とした約80人がボランティアとして制作に携わってきました。
里中町自治会との打ち合わせをしたうえで、8月に原画が完成、9月からペインティング作業が始まりました。学生たちは交代制で、月曜から土曜の1~4限に作業を実施。同自治会のボランティアスタッフ約10人も作業に加わり、共同で作品をつくり上げました。寒くなってからは、学生らは授業で出された課題や試験などに追われ、厳しい日程となりましたが、通りがかった方々に「頑張ってや!」「楽しみにしているで!」などと励ましていただき、頑張り抜きました。
※制作の様子は、情報メディア学科の学生が撮影し、映像作品にする予定です。完成すれば、このホームページでもご紹介します。
地元の風物が明るく、楽しく描かれています
壁画には、明るい未来へ向かって続く線路が中心に描かれています。線路に沿って、かつては沖合いを航行する船の目印になっていた「鳴尾の一本松」や里中町の夏祭り、子ども神輿、運動会の綱引きや玉入れ、公園にあるサンシュユの木など地元住民にとってなじみのある、さまざまな風物が描かれています。学生たちは鳴尾の歴史を調べたり、実際に夏祭りに参加したりして、絵の素材となる情報を取材しました。
記念式典で学長が「ムコナリエ」の通称を発表
1日午前、壁画完成記念式典が阪神電鉄鳴尾工事事務所で催されました。中西一人・兵庫県阪神南県民局長が「無味乾燥な壁が(壁画を描くことで)潤いのあるものになりました」と、地元・里中町自治会の丸尾彰雄会長は「壁画は地域の衆目を集め、話題となるでしょう。町民のシンボルとして見守っていきます」とそれぞれ挨拶しました。
続いて、糸魚川学長は「統一したモチーフの絵で、こんなに長いものは他にないかもしれません。ギネスブックに登録を申請したいくらいです。素晴らしい絵を描く機会をいただいて、感謝しています」と関係者に謝意を表しました。さらに「この壁画は、神戸のルミナリエのように名物になるでしょう。鳴尾駅と武庫川駅の間にあるので、<ムコナリエ(武庫鳴絵)>と呼ばせていただきます」と、壁画の通称を発表しました。
最後に藤井准教授は「寒い中、車の通行量の多いところで、授業の合間を縫って作業するなど、制約はいろいろとありました。学生は地域の方の『頑張ってや!』などという声を励みにして、『壁画は地域の人と人をつなぐシンボルになるんだ』という思いで頑張りました。壁画は学生だけでなく、地域の方や工事関係者ら皆さんの力で完成しました。壁画に描いた線路は、みんなで手をつないでいく、楽しい、明るい未来へつながっていきます」と制作を振り返りました。
学生リーダーの岩澤豊子さん(教育学科3年生)は「地元・鳴尾の風物を数多く盛り込んだ絵なので、鳴尾に住むお年寄りから子どもたちまで幅広い年代の皆さんに親しみを持って見ていただけると思います。この絵をきっかけに、地域の方々のコミュニケーションが活発になればうれしいです」と話していました。