NEWS

◇活躍する卒業生2◇弘前大学副学長・理事(教育担当) 郡千寿子さん(1990年武庫川女子大学大学院文学研究科国語国文学専攻修士課程修了)

2021/10/27

◇ MWU  Alumni◇ - Chizuko Kori, the vice president of Hirosaki University.

 

弘前大学副学長の郡千寿子さんが10月25日、共通教育の授業でゲスト講師を務め、「女性の活躍の場は広がっている。果敢に挑戦してほしい」と学生たちに呼びかけました。

 

弘前大学は医学部を有する国立の総合大学です。教員の女性比率は2割、教授職では1割ですが、郡さんは2010年に教育学部の教授となり、2016年に副学長に駆け上がりました。研究担当理事として改革を進めてきた郡さん。2020年に学長が交代したのを機に教育担当理事になった直後、コロナ禍で大学教育は大きな危機に直面しましたが、学生支援と教育改革に息継ぐ間もなく取り組んでいます。研究者として、また大学運営のトップとして「一生を描ききる女性力を。」を体現する郡さんの生き方にフォーカスします。

 

       ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇ 

 

 

教育担当理事は、授業や入試、学生支援を掌握する教学のトップです。産学連携や科研費を所掌する研究担当から異例の抜擢。慣れない業務に戸惑う間もなく、新型コロナウイルス感染拡大が足元に迫り、対面で予定していた卒業式、入学式の中止を決断しました。「学生に感染者が出たら取り返しがつかない、という危機感がありました。まずは命を守る。そのうえで学修の機会と授業の質を保障することを目指しました」と振り返ります。学年暦を1か月遅らせ、5月半ばから全面オンラインに切り替えて前期授業をスタート。以来、1年半。全国に先駆けたワクチン職域接種の実施、入試会場の県外新設、データ・サイエンス教育センターの開設、困窮学生に対し、回数無制限の無利子貸し付け――。戸惑いや批判の声を受け止め、危機意識を共有しながら矢継ぎ早に決断、断行しています。

 

 

 「教育学部の教員だったころ、入試や就職の委員を引き受けてきたおかげで、現場が抱える課題を肌感覚で分かっていたし、そうした業務を通して知人も増えていたのが奏功しました。一緒にやろう、と言ってくれる人たちがいたことは心強かったですね」。

 

専門は日本語学。1999年に弘前に拠点を移して以降、日本海域(東北・北陸・山陰)の江戸時代の教育資料研究(科研費採択)を続けています。研究の出発点となったのが武庫川女子大学文学部国文学科での授業です。大学進学当初は「あまり意欲的ではなかった」。ところが国文学の講義で、西鶴の「好色五人女」に遊女を差配する職業名として登場する「遣り手」が、現代も使われる「やり手」のルーツだと知り、言葉の面白さに目覚めました。大学院に進学し、母校の助手に。しかし、阪神淡路大震災を機に人生を見つめ直し、縁もゆかりもない弘前大学に公募で飛び込みました。

 

少子化の影響による先行き不安は国立大学とて同じです。「みんなで一丸となってどういう教育をしていくかを考える組織を作りたい。そのためには横の連携を強くしなければ」と、改革への意欲は尽きません。

 

 

武庫川女子大学でのゲスト講義は7年目。「日頃は話せないことも、後輩には赤裸々にお話ししています。私にとって母校での授業は仕事とプライベートを振り返る貴重な機会。立場や地位に寄りかからず、人として信頼と尊敬を集められるよう、今果たすべき役割に最善を尽くしていきます」と笑顔で話してくれました。

MUKOJO SNS

  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のFacebook
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のtwitter
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のLINE
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のinstagram
  • 武庫川女子大学 武庫川女子大学短期大学部のyoutube
CLOSE