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<日本語/English> 武庫川女子大学甲子園会館で大規模修復が進行中。 棟飾りなど昭和初期の匠の技の解明が進んでいます

2022/04/13

Restoration and construction is underway at Mukogawa Women’s University Koshien campus.

 

甲子園会館の大規模修復プロジェクトで、屋根の頂点にある棟飾りの取り外し工事が進んでいます。陶製の複雑な構造に、甲子園会館のモチーフである打ち出の小づちと水玉が刻まれてり、かつてはライトアップの灯りがともされました。武庫川女子大学建築学部が構造を解明し、当時の匠の技を駆使した見事な装飾を明らかにして、復元する予定です。

 

棟飾りは甲子園会館の屋根全体で10か所に設置されています。4つの立方体を組み合わせた上下にさらに飾りをつけた複雑な構造で、打ち出の小づちと水玉をモチーフに、縁起物が各所に表現されています。立方体の中に電線を引き込んだ形跡があり、昭和初期の甲子園ホテル時代には棟飾りをライトアップしていたとみられます。これまで破損個所を都度、修復してきましたが、取り外したことはなく構造の詳細は不明でした。

 

1月以降、東棟の2階屋根の瓦をすべて取り外して頂点にあった棟飾りを降ろしました。現在は東棟3階の屋根に取り掛かっています。棟飾りは屋根の中心から立ち上げた2~3メートルの鉄棒を芯に構成され、接着面をモルタルで埋めているため、解体するにはモルタルを砕き、ボルト等、固定しているすべての接合部を取り除く必要があります。取り外しの過程で陶器が傷つかないよう、建築学部の岡﨑甚幸学部長ら、教員立ち合いのもと、職人たちが慎重に作業を進めています。

 

降ろした棟飾りは、岡﨑研究室で助手の船戸理磨子さんらが中心となって一つ一つの構造を確認し、図面に起こしました。これをもとに建築学科の学生たちが発泡スチロール材で棟飾りの模型を作成。今後の修復作業に生かすとともに、歴史的建造物の資料として研究に活かします。

 

岡﨑学部長は「これほど複雑な装飾を陶器で表現できる職人が当時、多数いたことがよくわかります。割れたところや欠けたところは修復して復元する予定ですが、今後のメンテナンスを考えれば、構造的に一部、簡略化する必要がありそうです」と話しています。

 

船戸さんとともに研究を進める助手の池澤萌子さんは作業の過程をカメラに収め、記録しています。「竣工当時の記録が残っていないので、今回の解体作業は詳細を確かめる貴重な機会。次代に受け継ぐため棟飾りの構造を明らかにし、陶器の組み合わせ方や荷重のかかり方などを克明に記録したい」と話しています。

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