校祖公江喜市郎先生の遺品から人柄をしのぶ企画展の動画ができました。
2022/08/05
9月20日から10月20日まで、学術研究交流館(IR)で附属総合ミュージアムが開催する「公江喜市郎の横顔『文房四宝』展」の広報動画ができました。8月27日から山口、石川、愛媛で行われる鳴松会地区懇談会で上映するほか、学内のサイネージ等で放送します。
「公江喜市郎の横顔『文房四宝』展」は、武庫川学院の創設者である公江喜市郎先生の足跡を遺品を通して顕彰する初めての試みです。書道を好み、「竹堂」などの雅号を持っていた公江先生は、こまめに筆で手紙をしたため、職員への指示も達筆でメモ書きしました。文化祭では書道部の展示に足を運び、自ら筆を持って模造紙に文字を書いたといいます。キャンパス内には公江先生の書の作品や書をもとにしたレリーフが今も残ります。本館玄関に飾られた「水澄山静風涛偕和」もその一つです。
「文房四宝」とは書道に必要な筆、硯、墨、紙のこと。今回の展示では、公江先生が愛用した筆や硯、印(雅号印)などが出展されます。監修は本学の書道教育に40年以上携わった西山明美名誉教授。附属総合ミュージアム所蔵の書道具(文房四宝)から、展示にふさわしいものをピックアップし、解説とともに展示します。羊やいたちの毛でできた太筆、学院創立30周年のときの螺鈿の硯箱、篆刻家の名前が刻まれた印、使い込んでチビた墨、愛用したらしい硯は鳥や果実の彫刻が施され、表面が滑らかに摩耗しています。「武庫川学院」と刻まれた細筆は学生用に広く販売されていたものです。遺品は几帳面だった公江先生らしく丁寧に手入れされていますが、水を通さずに墨が固まったままの筆もあり、公江先生の体温を感じさせます。
動画は展示の準備の様子にフォーカスして広報室が作成。識別表示をつけて箱に入れた状態の遺品を西山教授が手に取り、確認する様子や、ミュージアムの横川公子館長に企画の趣旨を尋ねるインタビュー等を約2分に収めました。西山名誉教授は「書がお好きな先生はご公務で筆を用いることが日常でした。非常に書がお好きだったことがわかります」、横川館長は「学院資料の中には公江先生の遺品が数々ありますので、それらを通して公江先生の人となりを感じ、本学を多角的に理解する機会としていただけたら」と話しています。公江先生をよく知る世代には懐かしく、面識のない若い世代には親近感を抱かせる企画展となりそうです。