地域のコミュニケーションと健康づくりにフィットネスダンスを―。高齢者栄養科学研究センターの公開シンポジウムが開かれました。
2008/02/23
高齢者栄養科学研究センターが募集してきた「西宮市民のためのフィットネスダンスの歌詞」の入賞者が決まり、2月23日の公開シンポジウムにて受賞者の表彰式を行い、入賞作品を基にした曲と制作されたフィットネスダンスが披露されました。
2007年5~7月の募集期間には、西宮の土地、風土などを表現した歌詞が、全国から15点集まりました。その中から、大賞作品1点、入賞作品3点が選ばれ、3つの曲が出来上がりました。
作曲は、本学音楽学部卒業生で、健康・スポーツ科学科の創作ダンス授業の伴奏担当、辻本三千代さんが担当。大賞の「レッツ・ヘルシー、西宮」(作詞:工藤和久さん)は明るく元気な歌詞に合わせて、サンバのリズムで楽しめる曲に、入賞の「西宮音頭」(小谷安一さん・駒井瞭さん)は、お二人それぞれの作詞原作からアレンジし、子どもから高齢者まで気軽に踊れる音頭に、同じく入賞の「ふるさと燦燦(さんさん)」(上川修さん)は文化と歴史の街を歌った美しい旋律の曲に仕上がりました。
フィットネスダンスは、短大 健康・スポーツ科学科の「フィットネス指導法演習」受講生たちが「西宮音頭」と「レッツ・ヘルシー、西宮」を創作しました。「ふるさと燦燦」は、北島見江 健康・スポーツ科学科准教授 がストレッチを創作中です。
発表会では、畑儀文 音楽学部教授と武庫川社会音楽研究会の有志の学生7人が、1曲ずつ紹介して歌唱指導=写真中央=、歌に合わせて短大 健康・スポーツ学科の有志の学生たち11人と鳴尾北分区民生委員有志の方々6人がフィットネスダンスを披露しました=写真右=。会場を訪れた地域の方々など約100人の参加者が声を合わせて3曲を歌い、楽しいひとときを過ごしました。
この公開シンポジウムでは、高齢者の栄養状態の改善と生きがいの高揚を目的とした支援システムの構築を目指して研究を進めている、高齢者栄養科学研究センターの1年間の研究成果を報告。「地域高齢者の健康と生きがいについて包括的に考える」をテーマに、以下のような講演・報告が行われました。=写真左=
●シンポジウム1: 老化や食物に関する先端的研究から見た高齢者の健康と提言
座長 蓬田健太郎 (食物栄養学科教授)、松井徳光 (食物栄養学科教授)
1. 身体の再生力と老化との関係~遺伝情報の保証機構としての幹細胞~
阪尾寿々(高齢者栄養科学研究センター PD)
2. 老化機構と長寿化
安田修 氏 (大阪大学大学院医学系研究科准教授)
3. 機能性食品の摂取による高齢者の肥満抑制や老化抑制はどこまで可能か
福田満(食物栄養学科教授)
4. 高齢者の調理「作って、食べることから」
升井洋至 (食物栄養学科准教授)、長尾(内山) 綾子 (同 助手)
●シンポジウム2: 地域高齢者の健康増進や生きがいの高揚を目的とした活動
座長 内藤義彦 (食物栄養学科教授)、前田美也子(心理・社会福祉学科准教授)
1. 鳴尾地区の独居高齢者に対する栄養実態調査からわかったことと今後の課題について
宮永克子(高齢者栄養科学研究センター RA)
2. 音楽活動を心身の健康に役立てる試み
一ノ瀬智子 (音楽学部講師)
●特別講演
座長 爲房恭子(食物栄養学科准教授)
テーマ: 世代間交流が生み出す、一石二鳥の健康づくり
講 師:藤原佳典 氏 (東京都老人総合研究所 研究副部長)