西宮の産学官連携事業の発表会で、生活環境学科の黒田智子・准教授のゼミ生8人がデザインした菓子のパッケージが発表されました。
2008/03/13
商業団体のリーダーや次代を担う若手経営者らが“繁盛店づくりの技術”を学ぶ「西宮あきない塾」(主催:西宮市、西宮商工会議所、西宮市商店市場連盟)の逸品評論会が3月12日夜、西宮商工会館で開かれ、生活環境学科の黒田智子・准教授、中谷幸世・副手、学生8人デザインしたパッケージが、「あおやま菓匠」の青山浩志氏と「ベルン」の倉本洋一氏から発表されました。
生活環境学科の黒田智子・准教授(右の2枚の写真のそれぞれ左端)のゼミ生(3年生)の、布野未樹さん (右の写真の右端)、中井麻美さん(右の写真の左から2人目)、鵜飼梨恵さん、富田愛さんが「あおやま菓匠」の、黒田弥生さん(右から2番目の写真の右端)、石塚三夏さん(右から2番目の写真の左から2人目)、湯川莉乃さん、松葉佐知さんが「ベルン」のパッケージを担当。パッケージデザインに取り組むのは初めての経験でしたが、12月から各商品のコンセプトやパッケージへの希望などについて、打ち合わせをしたり、実際に20種類以上のお菓子パッケージを見たりしながら、提案をまとめました。
「和菓子道楽 あおやま菓匠」の和菓子「酒づつみ いろだま」は、4種類の餡を使った葛菓子です。お菓子は、西宮の四季を、桜・抹茶・マンゴー・大納言の餡でイメージし、西宮の酒を練りこんだ上品なものです。西宮の美しい桜と、酒造りの歴史、そして竹久夢二のデザインイメージのようなモダンな印象を持たせたい。という、青山さんの想いから、コンセプトを“音・譜・曲”と設定しました。
パッケージ(写真=左端)は、4つのお菓子が一列に並ぶ細長い箱で、色は黒、和紙のような質感を持たせます。箱を開けると、桜模様のフィルムシート越しにお菓子を見せ、期待感を高めます。また箱の外に着物の帯のような包装をあしらい、帯の裏側に桜の名所や酒蔵、あおやま菓匠の店舗の位置が分かる地図をデザインします。
洋菓子店「ベルン」の焼き菓子は、自然あふれる、ふるさとのおばあちゃんからの贈り物のイメージで創作中です。丹波栗を使い、兵庫を代表する逸品に仕上げたいという倉本さんの情熱を受け止めて学生たちは、4種類のパッケージを提案しました。それを元にさらにブラッシュアップし、高級感、和の雰囲気、手作り感を大切にした蓋つきの箱にまとめました。(写真=左から2番目)年輪のある木片をイメージした箱は、温かさや歴史を感じさせます。また、焼き菓子を包む包装は、栗の葉がお菓子を抱くようなデザインを提案しました。
学生たちは、「箱を開けてお菓子を取り出すワクワク感で最後まで頑張れました」「普段の課題なら、すべて自由に作ることができますが、コストを考えることなど初めてのことで勉強になりました」「去年の“想いdeキャッチボール”のパッケージの完成度が高いので、それ以上のものを作らないとというプレッシャーがありました」「青山さん、倉本さんのご意向をきちんと汲み取ってデザインを進めたことで、コミュニケーションの大切さを実感しました」と感想を話しました。
黒田准教授は、「パッケージは、手にとって開き、お菓子に出会い、盛り付けるまでのストーリーを創るものと考えています。学生たちは限られた時間で、最後まで手を抜かず、全力でアイデアを出すという貴重な経験ができたと思います」と話していました。