環境共生学部で、フィールド・環境施設実習が始まっています。
2025/05/17
環境共生学部で、兵庫県内外の山や川、海に出向く「フィールド・環境施設実習」が始まっています。4月には、国立環境研究所琵琶湖分室を訪問。5月は、丹波篠山市や、名塩野外活動センターなどにクラスごとに出かけます。5月15日は、Aクラスの15人が甲子園浜へ。長靴を履いた学生は、バケツ、ふるいを積んだキャンピングカートを引き、浜甲子園キャンパスから徒歩で向かいました。
この日の授業は、大谷壮介教授(水圏環境工学)が担当。潮が引いた浜辺にどんな生物がいるかを調べました。学生は、スコップを手に、岸側と沖側に分かれて調査を開始。30分あまりで、アサリやカキといった貝類、カニやヤドカリといった甲殻類、ゴカイといった多毛類を見つけることができました。また、これらの生物が育つ甲子園浜を深く知るため、海水の塩分濃度や酸素濃度を測定して記録したり、採取したプランクトンを肉眼で見たりしました。
大谷教授は、海水に含まれる窒素やリンが多すぎるとプランクトンが異常増殖して赤潮になるが、少なすぎるとプランクトンは少なくなり、魚介類が十分に育つことができないことなどを解説。参加した学生は、「まさか、カキやアサリが取れるなんて」と驚いていました。大谷教授は、学生が採取した「カキ」を例に、「二枚貝には貝毒があるものもあり、食中毒の原因になる。兵庫県も、この時期には、ホームページで貝毒情報を発信している」と話しました。
15日の天気は曇りで、西宮市の気温は26度でした。水温は、潮風の影響もあり、24.5度~25.9度。また、通常30‰(パーミル)程度とされる塩分濃度も、引き潮だったため、22.7‰~23.5‰となりました。参加した学生は、持参したファイルに、調査日時や、採取した生物の名前、取得データを記入し、生物を海に放してフィールドワークは無事終了しました。