名塩野外活動センターで環境共生学部がフィールドワークを行いました。
2025/05/30
環境共生学部1年Bクラスの学生が5月22日、名塩野外活動センター(西宮市清瀬台)でフィールドワークを行いました。4月からクラスごとに実施している「フィールド・環境施設実習」の一環。これまで近隣の甲子園浜をはじめ、滋賀県や丹波篠山市に出かけましたが、センターでの活動は初めてです。名塩野外活動センターは、1999年4月に竣工した本学所有の研修施設で、附属中学校、高等学校が野外活動で利用してきました。環境共生学部開設にあたり、フィールドワークに活用できるよう管理棟を改修し、林道も整備しました。手洗い場やトイレ、シャワールームも完備されています。
浜甲子園キャンパスから電車と徒歩で訪れた学生たちは、エアコンの利いた管理棟でひと休み。休憩スペースで、石庭寛子准教授(野生動物生態学)から、フィールド用カメラやGPSといった機材の使い方について説明を受け、作業内容と目的を教わります。この日は、決められたルートを回って、特定の動植物の出現や個体数を記録する調査方法「ルートセンサス」について学びます。学生たちは、長靴にヘルメット、手袋で装備を固め、デジタルカメラなどの機材を手に、山道へ。見つけた野鳥や昆虫、キノコや花を記録して、その名前を特定します。動物のフンや地面に空いた穴、けもの道も、痕跡としてメモにしていきました。
下山までに動物が通りそうな場所を見つけ、センサーカメラを設置するのが最大のミッション。動物がカメラの前を通ると、自動でシャッターが下り、写真や動画のデータがパソコンに送られてくる仕組みで、遠隔にいながら、継続的な観察が可能になります。「今、シカが崖の方に走っていくのが見えた!」という教員の声で、学生たちが集まりました。周辺を探ると栗のイガが見つかり、近くに栗の木が。学生たちは「このあたりにカメラを仕掛けよう」と、太めの木を選んで幹にカメラを設置。動作確認して、設置場所への目印となるリボンと、調査中であることを示すラミネート板を付けました。
虫を見つけて「可愛い!」と声を挙げる学生もいれば、「うわっ、無理!」と逃げる学生もいましたが、下山するころには山道にも慣れ、顔を寄せ合って地面や木の葉を観察する姿があちこちで見られました。野鳥の観察を目的に、林の中にカメラを設置したグループも。渡邉美舞李さんは「山を登りながら、蝉の抜け殻やいろいろな形のどんぐりを見つけました。入学してからフィールドワークが思った以上に多く、自分ではなかなか行かないような場所を訪れたり、水辺で水質調査をしたりできて楽しい。鳥に詳しい人や両生類に詳しい人など、いろんな人がいるのも魅力です」と話していました。樋口かりんさんは「キビタキをはじめとする夏鳥の鳴き声も聞くことができてよかったです。展望台からの景色も美しく、自然の豊かさを感じました」と満足そうでした。