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活躍する卒業生#53 株式会社ヒーローズ漫画編集者 長濱七弓さん(情報メディア学科2022年卒)

2025/09/10

漫画『ゆるブラック~220人の会社に5年いて160人辞めた話~』(以下・『ゆるブラ』)の編集を担当した長濱七弓さん。極端な長時間労働やノルマを課すブラック企業とまでは言えないが、ホワイト企業でもない「ゆるブラック企業」。それを体現した中小企業・ひょっとこ商事で、新入社員・かっぱ子の運命はどうなるのか。長濱さんは「就職活動中の学生はもちろん、働くすべての人にも読んでほしい」と話す。


長濱さんの恩師は、担任でゼミの担当教員でもある社会情報学部の藤本憲一教授。大学時代は、いろんなアルバイトや授業を経験して、自分の得意なことと苦手なことを自覚したという。司会のアルバイトやウェブライター、自治体主催の成人式企画など、イメージを形にしていくことは得意だったが、情報処理やプログラミングは苦手だった。就活では、出版社に狙いを絞り、藤本教授にエントリーシートを添削してもらったという。


「関西には、漫画出版社が少ない。東京も視野に入れて活動してはどうか」という恩師のアドバイスで、道が拓けた。勤務先である「株式会社ヒーローズ」(東京都千代田区)は、転職サイトから求人を見つけ、営業職で新卒入社。営業の傍ら、企画を出す熱意が認められ、編集部へ異動が叶った。編集の仕事は、ストーリーを考える原作者や絵を描く作画者に声をかける「スカウトマン」、打ち合わせなどを通して作品の質を高める「ディレクター」、販売戦略を考える「プロデューサー」、原稿の締め切りなど進行管理をする「マネージャー」と多岐にわたる。


『ゆるブラ』の作者・かっぱ子さんは、フルタイム勤務の社会人。今回コラボ企画として、ブラック企業と向き合ってきた株式会社アルバトロス 退職代行「モームリ」代表の谷本慎二さんに、単行本の推薦文を依頼した。「かっぱ子さん、もうムリだ!っと感じた際は弊社サービスをご利用ください!」。さらに、退職代行「モームリ」のX(旧Twitter)でコラボ漫画を投稿すると、10万いいね!が付くなど大反響となった。


出版後、大学院生から「社会に出ることが不安だったのですが、『ゆるブラ』を読んで、社会人になることへのハードルが下がりました。心の安定剤にします」というメッセージが届いた。『ゆるブラック!』は、かっぱ子さんの鋭い人間観察をもとに、会社を俯瞰し、理不尽すぎて笑えない現実を笑いに変えた、強さと魅力あふれる1冊になっている。


長濱さん自身は、憧れの編集者となってどうなのだろう。「仕事の9割が大変ですが、耐えられるのは、漫画がエンターテインメントで、誰かの心を動かす瞬間があるから。それが見えた時にやりがいを感じます。アニメ化や映画化するような漫画を作ることで、より多くの人を楽しませていきたいです」。好きなことを仕事にした誇りがみなぎっていた。
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『ゆるブラック!』のAmazonリンク

文春オンラインによる紹介記事のリンク
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