建築学研究科修士課程の学生たちがトルコ・バフチェシヒル大学で海外実習を行いました。
2025/11/21
建築学研究科修士2年(建築学専攻、景観建築学専攻)の10人が10月21日から11月7日まで、トルコ・バフチェシヒル大学を訪れ、海外保存修復実習の授業の一環として現地で実習を行いました。 トルコでの海外実習は、2008年12月に本学とバフチェシヒル大学との間で締結した一般交流協定に基づき、2010年度から「ICSA in Istanbul」として、実施しています。
学生たちはBAU VISTA (学生寮)に滞在。オスマン帝国時代の大規模木造建築「AHMET RATIP PASA KOSKU」 の修復現場を見学し、修復を請け負っている企業の担当者から修復の概要について説明を受けました。また、マルマラ海に浮かぶビュユック島にあり、ヨーロッパ最大の木造建築であるグリーク・オルファネージを特別に見学させて頂き、研究者の方から建物各部の改修の歴史について解説を受けました。
バフチェシヒル大学では、エンベル理事長、エスラ学長を表敬訪問。建築・デザイン学部のある北キャンパスを訪れ、ランチを食べたり、研究室を訪れたりして、大学の雰囲気に触れました。また、ミーマール・シナンの設計とされるシナンパシャ・ジャーミィや20世紀半ばの保存修復によってモザイク画やフレスコ画がよみがえったカーリエ・ジャーミィなどを見学し、スケッチしました。
滞在中は、イズニックタイルが美しいスルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)、オスマン帝国時代に400年間使用されたトプカプ宮殿、東ローマ帝国時代に教会として建てられ、現在はモスクとして用いられているアヤソフィアなどの名所も見学し、各所でスケッチ。イスタンブールの他、古都であるブルサやエディルネも訪問し、伝統的建築物を見学しました。さらに、ボスポラス海峡クルーズでは海からヨーロッパ側とアジア側を臨み、その景観の違いを体感しました。
最終日には、バフチェシヒル大学でスケッチ展を開催し、海外実習での学びを披露。スケッチ展には今年7月に実施した武庫川女子大学建築学部の短期留学生受け入れプログラム「ICSA in Japan」に参加したトルコの学生たちも来場し、交流を深めることができました。
実習を振り返り、建築学専攻2年生の中野有理さんは「街のあちらこちらにモスクがあり、祈りの時を知らせる声が常に聞こえてきて、イスラム教が生活と一体化しているという異文化を体験できました」と述べています。同じく建築学専攻2年生の森田梨紗さんは「個人の観光では行けない場所を見学し、専門家のお話を伺うことができ、このプログラムに参加して本当に良かったです。今後の建築人生に生かしていきたいと思います」と語りました。また、景観建築学専攻2年生の清水莉帆さんは「滞在をとおして、トルコの人々の温かさを感じることができました。実習に関わって下さった先生方にも感謝したいです」と感想を述べました。










