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トルコ・バフチェシヒル大学で、被災地アンタキヤの伝統的住宅建築の耐震改修設計を考えるシンポジウムを武庫川女子大学と共同開催。

2025/11/19

トルコの歴史都市・アンタキヤの町並み復興に取り組んでいる武庫川女子大学建築学部が11月5日、トルコ・バフチェシヒル大学で文化庁主催シンポジウム「文化遺産を守る耐震改修-アンタキヤの伝統的住宅建築の設計提案-」を同大学と共同で開催。伝統構法である組積造を継承しながら耐震化を実現するプロジェクトの成果を発表しました。

 

建築学部は学生の交換留学や過去の災害における調査・支援等でトルコとのつながりが深く、2023年2月のトルコ地震では、発生直後から教員が被災地に入り、調査や復興に向けた提言を行ってきました。令和5年度緊急的文化遺産保護国際貢献事業(専門家交流)「トルコ共和国における歴史的市街地の復興に関する国際貢献事業」を文化庁から受託し、その一環として2024 年3 月に武庫川女子大学で開催した公開セミナーでは、アンタキヤの復興に向けた9 つの案を提言。さらに同4月、令和6年度文化遺産保護国際貢献事業(文化遺産国際協力拠点交流事業)「トルコ共和国における歴史的市街地の復興に関する拠点交流事業」を文化庁から受託し、バフチェシヒル大学とともにアンタキヤ旧市街の復興都市デザインを提案する拠点交流プロジェクトに取り組みました。令和7年度も引き続き「トルコ共和国における歴史的市街地の復興に関する拠点交流事業」を文化庁から受託。アンタキヤの伝統的住宅建築(文化遺産)の耐震改修を提案する拠点交流プロジェクトに取り組んでいます。5月に両大学の教員らが現地実測調査を実施したほか、8月から9月にかけては武庫川女子大学で「耐震改修設計スタジオ」と称して、対象住宅の耐震改修設計案を考えました。

 

今回のシンポジウムはこうした一連の取り組みの成果発表として開催されました。会場には約90人が参加し、在イスタンブール日本国総領事館の岩間良次総領事も参加されました。冒頭、バフチェシヒル大学建築デザイン学部長のムラツ・ドゥンダル教授が挨拶に立ち、武庫川女子大学との間のこれまでの交流について紹介しました。続いて武庫川女子大学建築学部の柳沢和彦教授が プロジェクトの経緯について説明しました。

 

本プロジェクトにはトルコ人の専門家が3人参加しましたが、その3人を代表してバフチェシヒル大学建築デザイン学部のベリンダ・トルス准教授が、現地実測調査や実測図面作成、そして耐震改修設計スタジオについて報告を行いました。また日本においてモデルハウスを視察し、日本のハウスメーカーが提供する耐震技術を学んだこと、日本の地震関連実験施設として兵庫耐震工学研究センター(E-ディフェンス)と免震研究推進機構(E-Isolation)を視察したことも報告しました。

 

さらに、武庫川女子大学の柳沢和彦教授、鳥巣茂樹教授が、耐震改修設計スタジオで作成したアンタキヤの伝統的住宅建築の耐震改修設計提案を発表しました。柳沢教授は建築設計の立場から、対象住宅の耐震改修後のデザイン動画等を披露しました。鳥巣教授は建築構造設計の立場から、耐震設計の基本的事項等を解説するとともに、CGや模型等を用いて、アンタキヤの伝統構法である組積造を継承しながら耐震化を実現する方法について発表しました。その後、活発な議論が交わされ、会は盛況のうちに終了しました。

 

令和7年度「トルコ共和国における歴史的市街地の復興に関する拠点交流事業」の様子はこちら

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