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【先生の研究力#8】食創造科学科 蓬田健太郎教授 微弱振動磁界付加凍結法による生体組織の高品質凍結保存で再生医療の可能性を拓く。

2026/06/18

東北大学医学部、東北大学大学院医学研究科を経て外科医から基礎研究の道へ。1990年代から、転写因子や精子幹細胞の研究に取り組み、2004年本学へ。2006年には山中伸弥教授らの手でiPS細胞が樹立された。幹細胞の分化や修復能力を使い、病気やケガで失われた組織や臓器を回復させる再生医療が、いよいよ現実になると感じた。

 

「次に求められるのは、凍結保存する技術。細胞・組織を凍結保存できれば、安定して供給でき、コストダウンも可能になる。iPS細胞から作製した心筋細胞シートや軟骨も生成後に凍結保存して、いつでも治療に使える時代が来るはず!」

 

急速冷凍技術を持つ株式会社アビー(本社・千葉県流山市)と、再生医療と食の両方に通じる凍結保存方法の共同研究を開始する。冷凍庫内に微弱振動磁界を発生させ、農作物や魚介類、肉類といった生鮮食品内の氷晶形成を抑制すると、細胞や組織の損傷が抑えられ、うまみ成分(ドリップ)が出ず、冷凍前の味を保つことができることがわかった。

 

こうした「微弱振動磁界付加凍結」の技術を細胞にも応用し、組織レベルでの凍結保存の可能性を探る。「どうすれば、凍結前の細胞機能が維持できるのかというメカニズムが見えてきた。毒性のある凍結保護剤を使わず、安全で効率的な凍結法を突き詰めたい。食品をどうしたらおいしくできるかは、生殖医療や再生医療における凍結条件にもつながっている」

 

舌と料理の腕には自信があるという蓬田先生。研究室では、エプロン姿で学生に手料理を振る舞うことも。この日の昼食は、余った油揚げ入りのマーボーナス。夕食はチャーシューに半熟卵、わかめ、白ネギをたっぷりのせたラーメン。「冷凍技術は、食べ物を確保することや、食品ロスを減らすこと、病気を治すことにまで関わってくる。よく食べて、よく生きる。病気を治す。これが大事」。おいしさにこだわる研究室に世界を変える基礎研究があった。

 

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