関西文化研究センターで「第6回MKCR国際学術交流フォーラム」が開催され、協定校の韓南大学の禹燦三教授が研究成果を発表しました。
2008/09/19
「第6回MKCR(関西文化研究センター)国際学術交流フォーラム」が9月19日午前、同センターで開催され、協定校である韓南大学の禹燦三教授=写真左=が「中古音韻尾の韓日漢字音の反映比較」の研究結果の発表をしました。
韓国での日本語学習が難しいのは、漢字の発音が韓国と日本で違うことが大きな理由とされています。禹教授は、韓国人の日本語学習者に対して、いかに効果的、合理的に日本語を教えるかをテーマに言語を探求しています。今回は中国語の音韻体系である中古音の韻尾(音節の終わりにある子音、あるいは母音)に注目し、両国の漢字の発音がお互いにどのように影響し合ったかについて話しました。
発表の最後に指定討論者である日本語文化学科の柴田清継教授は「漢字文化圏の中で、なぜ韓国だけが古い音韻尾の形を保ち続けているのですか」と質問。教授は歴史の中で韓国の文化の化石化が起こっていたことを説明しました。
参加者は両国の漢字音の比較表を見ながら、禹教授の分析に熱心に聞き入っていました=写真右=。
19日のフォーラムは、下記の内容で開催されました。
【研究発表 第一部】 (10:30~12:00)
テーマ: 東アジアにおける洋装・洋裁文化の受容と葛藤
中古音韻尾の韓日漢字音の反映比較
【研究発表第二部】 (13:30~17:00)
テーマ: 朝鮮使節が見た大都会としての大坂の明暗
明治期東亜文化交流の一側面 -漢詩人水越耕南の交友を中心に-
石川啄木と宮沢賢治の朝鮮認識
梁啓超の日本亡命と西欧文明の受容
20日は下記の内容で開催されました。
【研究発表 第三部】 (9:30~12:00)
テーマ: 比較語彙論的方法による日韓語彙の比較
漢文はどのように教えられているか -日本の中等教育とアメリカの入門教育-
東アジア三国と山東半島の地政学的考察
【記念講演】 (13:00~14:30)
テーマ: 東アジア各国文学史の草創期
【研究発表 第四部】 (14:45~16:15)
テーマ:『源氏物語』の場面設定と和歌表現
『日本書紀』にみる中国および古代朝鮮資料からの引用と利用
【総合討論】 (16:30~17:00)