「食博」で生活環境学部の学生が「食育」をテーマにファッションショーを開催。蓬田教授が「サザエさんの食卓から食育を考える」講演を行いました。
2009/05/05
インテックス大阪で開催中の食の祭典「’09食博覧会・大阪」5日目の5月4日、生活環境学部生活環境学科の学生約40人によるファッションショー「食と色彩」が行われました。自分たちでデザインした衣装を着た学生たちは華麗なステージを披露し、インテックス大阪3号館の中央に設けられた食育ステージ前には約200人の観客が集まりました。
学生たちは食育をテーマに「五味五色」と「栄養」をイメージし、衣装を制作しました。五味五色とは辛味・甘味・酸味・塩味・苦味と白・黄・青・黒・赤のことで、これらの要素を盛り込むことが古来から調理の定式とされています。今回のショーは、例えば、ピーマンやほうれん草などの青い食材をイメージした衣装を身に着けた学生が登場すると、学生のナレーターがその青い食材の栄養素などを説明するという、「衣」と「食」を組み合わせた内容=写真右=。五味五色の全ての味と色をテーマにした衣装37点が披露されました。これまでに無い新しいタイプのファッションショーに、客席からは大歓声が上がりました。
フィナーレでは、武庫川女子大学のキャラクター・Lavyと、出演したモデル全員がステージに登場。趣向を凝らした演出に会場からは大きな拍手が送られました=写真中=。
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5月5日には、食物栄養学科の蓬田健太郎・教授が「サザエさんの食卓から食育を考える」と題して講演しました。=写真左=
サザエさんは今年40周年。サザエさん一家はずっと食卓を囲み、当時と同じ食生活を続けています。TV放送は、1969年に始まりましたが、その後私たちの食生活は欧米化・多様化が進み大きく変化しました。
「食育とは食べさせて育てること」。蓬田教授は、サザエさんの家族を例にし、タラちゃんのような小さな子ども、ワカメちゃんとカツオくんのようにぐっと成長する子ども、サザエさんとマスオさん夫妻のような若い夫婦、波平さんとフネさんのような熟年夫婦、それぞれの年齢によって必要なエネルギーや体を作る材料は異なり、特に子どもの時(成長期)はきちんと食べなければならないと説明。「サザエさんの食卓は、いつも全員でテーブルを囲み、例えば波平さんがカツオくんにおかずを足したり、マスオさんが自分の分をゆっくりたべたりしながら、各自の食べる量を調節しています」と紹介しました。
また、毎回の食事を完璧なものにすることは不可能であり、例えば1週間や数日間といったサイクルで全体としてバランスを考えればよいことや、また時には食事のバランスをきちんと考えてほしいと話し、「食卓はコミュニケーションの場です。ここで家族で身体の健康と心の健康を考えてください。またこの食博を通じて、家族みんなで食と健康を考えてみましょう」と会場を訪れた約150人の人に呼びかけました。