谷崎潤一郎の旧邸「鎖瀾閣(さらんかく)」の復元運動を、今後の文化財復元の取り組みに役立てようと辰巳都志・教授らがDVDにまとめました。
2010/05/04
阪神大震災で全壊した谷崎潤一郎の旧邸「鎖瀾閣」の復元運動をまとめたDVD「大義の引き際」を本学文学部の辰巳都志・教授が理事長を務めるNPO法人「潤」が制作しました。DVDは約60分で、震災直後の鎖瀾閣の崩壊した様子や、室内をCGで再現した映像が収録されています。
鎖瀾閣は、谷崎潤一郎が自分でデザインして建てた家。ここで「卍(まんじ)」や「蓼食(たでく)ふ虫」の作品が執筆されました。その邸宅を震災後に復元しようと、同法人が寄付を集め準備してきましたが、建設場所の地域住民の協力が得られず断念しました。
辰巳教授は「復元は実現できませんでしたが、震災後の約15年間の復元運動の取り組みを紹介することで、今後、文化財を復元しようとする方々の参考になればと思います」と話しました。
このDVDは兵庫県と大阪府の公立図書館で見ることができます。