卒後教育を支援しています~明和病院との協働研修 多重課題Ver~
本学学部のクリニカル・スキルス・ラボプロジェクトチームでは、卒後教育を支援するために近隣施設と共同しシミュレーション教育を行っています。この研修プログラムは、今年度で2年目を迎えます。
先日、新人看護師を対象とした「多重課題研修」を行いました。本研修は、新人看護師が部署に配属されて約6カ月経った時期に行いました。講師は、本学学部の清水教授が行い、各グループのファシリテーターを施設の指導者が担いました。また、シミュレーションの実践場面においては、教員と施設の教育担当者が患者役やシミュレーターの操作などの役割を共同して行いました。
新人看護師は臨床現場で複数受け持ちをする中、いろいろな多重課題に遭遇します。異なる部署に配属された同期同士でグループとなり、日頃困っている多重課題について共有し、多重課題のシミュレーションを通して学びを深めていきます。
グループワークで意見交換をしている場面
研修で行った多重課題の場面は、4人部屋の患者さんのうち一人の患者さんの検査出しの準備をするところから始まります。検査出しの患者さんにお声かけをすると、同室の患者さんから呼び止められたり、認知機能が低下している患者さんがトイレに行こうと起き上がったり、さまざまな多重課題が生じます。そのとき、何が優先されるのか、何を大切にしながら行動するのかをグループのメンバーとともに考えながら実践していきます。
多重課題シミュレーションの実践場面①
多重課題シミュレーションの実践場面②
研修を通して参加者からは、
「命を最優先しながらも周りの患者の安全に配慮し行動するにはどうにしたらいいか学べました」「生命に関する課題を優先しつつも患者の訴えに耳を傾けて状況に合わせながら説明し対応していくことが大切であると学ぶことができました」「自分からみた患者さんへの優先順位と、患者さんからみた視点とでは違うと気づけたので、しっかり配慮して関わる必要があると学べました」と言う気づきや学びが聞かれていました。
こうした卒後教育を通して、私たちは本学の学生への教育についても考えることができると思っています。また、大学で学んできた学生が卒業後にどのように成長しているのか、成長を知る機会にもなり、未来の看護師を育成するために、こうした卒後教育には今後も携わっていきたいです。