カテゴリー「院生さんの紹介」の投稿一覧
大学院生さん紹介 修士課程看護学研究コース:福井 有里さん
看護専門学校を卒業後、病院に就職。研究方法を学び、看護の視野を広げるため、修士課程に進学。
現在は緩和ケア認定看護師として病棟勤務、緩和ケアチームとして組織横断的に活動しながら、緩和ケア認定看護師が行う同行訪問のテーマで研究に取り組んでいる。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
臨床の場において、複雑で多様化している実感があります。認定看護師としては、研究知見を活用して実務に役立つ情報を提供することも求められます。学術論文の読み解き方や、科学的知見を得るための心得を学びたいと考えました。また、看護を追及する思考力や研究方法を学び、看護実践に活かせる研究をしてみたいと考えたからです。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
修士課程を卒業した方から、進学や受験に関するアドバイスを受け、「仕事を続けながら」という選択が可能な武庫川女子大学院を選びました。また、老年看護学分野における地域医療連携の推進を学ぶ上で、在宅看護学分野・公衆衛生看護学分野の講義が受講できることも魅力でした。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
勉強時間を確保することは困難でしたが、出勤前の早朝、通勤中、帰宅後、休日を勉強時間としていました。英語と専門科目で受験をしましたが、ホームページから大学院の過去問題を請求しました。過去問題を解き、老年看護学の教科書を中心に勉強をしました。英語は医療系の長文英語を中心に問題を解いていました。
Q4 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
緩和ケア認定看護師が行う同行訪問のテーマで研究に取り組んでいます。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
職場の理解を得るために、看護部長、病棟師長に履修に必要な休日の勤務希望と調整を交渉しました。病棟スタッフ、緩和ケアチームのメンバーにも大学院の通学スケジュールについて情報共有しています。勤務終了後にゼミがある日は、超過勤務ができないことを理解していただき、あらゆるサポートを得ています。
Q6 印象に残った授業を教えてください。(どんな内容だったか、なぜ/どういう点が印象に残ったか、看護実践にどう生かせそうか等)
印象に残った授業は論理的思考論の「文章を研くリバイズとは」の授業です。他者が作成した文章を用いて、適切性を吟味し改善していくリバイズのプロセスを体験することで、文章を研き、文章の発信力を高めるリバイズのコツを学べたからです。看護研究論文を論理的かつ批判的に吟味する視点を用いて、実務に活かせると考えます。
Q7 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
知的好奇心と日頃の素朴な疑問をもって大学院への進学を希望しました。入学後は、日頃の素朴な疑問が研究という形になりました。ムコジョには、知的好奇心が満たされる学習と研究をすすめていく環境があります。先生方や院生との価値ある出会いがたくさんありました。大学院への進学を考えている方は、進学をおすすめします!
現在の看護学研究科HP「大学院生の声」のページはこちらです。よろしければご参照ください。
↓
https://www.mukogawa-u.ac.jp/~kango/gschool/voice.html
大学院生さん紹介 博士後期課程:北川 純子さん
国立高度専門医療センタ-に就職後、厚生労働省・内閣府への出向を経て、現在、独立行政法人国立病院機構にて看護管理者として勤務している。
管理者としてのスキルを磨くため、仕事と両立しながら本学の修士課程を修了後、博士後期課程に進学し研究を継続している。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
修士課程での学びを通して、看護管理者としてイニシアティブを発揮する上で重要なのは、論理的思考と物事を抽象化して概念化できる思考力であるこということが分かりました。また、研究結果は臨床で活かしてこそ価値が生れると感じました。今後、さらに博士課程において自身の研究を深めることで、職場環境を整備し、職務満足と看護サービスの向上にむけた具体的な提案ができると考えました。組織の発展にむけて寄与する管理的・教育的役割モデルとなれるよう、これからの時代の看護管理者として成長したいと思い、博士課程への進学を志しました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
本学の修士課程で担当いただいた指導教員に引き続き指導を受けられるメリットがありました。担当教授や授業で関わっていただく諸先生方は、仕事と学業を両立している学生の背景をよく理解したうえで状況に合わせてサポートし、真摯に向き合ってくださいます。また、ゼミや公開発表会においては、否定ではなく学生の研究をよりよく発展させるための前向きで具体的な質問やアドバイスをしていただけます。学生のモチベーションを高め、一人ひとりを大事にする風土が感じられるため、こちらの大学院で再び学びたいと思いました。博士課程は研究のレベルが上がり不安もありましたが、本学なら就業を継続しつつ両立させて卒業できると考えたからです。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
博士課程の選抜試験では、研究テーマに関する口述試験を受けました。博士課程において研究したいテーマは、修士課程で研究した内容の延長であったため一貫性のある内容を心掛けました。また、修士課程で取り組んだ内容よりも、今後どのような研究がしたいのかということに焦点をあてたプレゼンテーションを意識して準備しました。
Q4 博士後期課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
看護師長の看護管理業務における時間管理についての研究をしています。具体的には、時間管理の実態や要因等を明らかにし、看護師長自身の適切な労務管理・健康管理の方策を検討するため研究に取り組んでいます。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
前期・後期と授業予定表及び分野毎にゼミの計画が提示されるので、その計画に従って職場に休みの希望を申請しています。また、レポート提出や倫理審査の申請時期は時間確保が必要であるため、時間軸を見据えて職場の上司に相談しながら集中して取り組めるよう計画的に年次休暇を申請するなど時間確保を行っています。
Q6 印象に残った授業を教えてください。
看護理論探求持論の授業では、苦手としている看護実践・教育・研究に活用する理論や理論構築のための概念分析を学びました。看護理論の基礎や理論構築における概念の明確化など、難解な授業内容について比喩表現を用いるなどして分かりやすく具体的に解説いただきました。授業において自身の研究における概念のプレゼンテーションやディスカッション、また課題レポートを通して最終的には応用できるレベルにまで引き上げていただいたと思います。
どの授業も研究に必要な専門性の高い内容で、授業毎に提示される課題は自らの研究に繋がる内容であったため、授業を受けながら倫理審査に向けて研究計画書の作成を進めることができました。
Q7 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
普段出会わない看護大学の教員や病院の看護管理職の方なども進学をされており、職場環境の異なる方々と交流を深めることができます。ネットワークが広がり、大学と臨床での情報交換ができ、新人教育などの手がかりを与えていただくこともあります。
研究は根気強く長期にわたっての自分自身への挑戦となりますが、挫折しそうなときはゼミや授業などを通し学生皆で励ましあい、担当教授が精神面も含めて支援してくださるので乗り越えてこられました。大学院進学を通して様々な経験を積むことができ、自然と人間力も磨かれるため、多忙な中でも充実した学生生活を送ることができると思います。
現在の看護学研究科HP「大学院生の声」のページはこちらです。よろしければご参照ください。
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https://www.mukogawa-u.ac.jp/~kango/gschool/voice.html
大学院生さん紹介 修士課程看護学研究保健師コース:多嶋田 悠さん
九州大学医学部保健学科看護学専攻を卒業後、保健師の資格取得を目指し、2023年4月に修士課程看護学研究保健師コースに入学。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
地域住民の健康増進や疾病の予防に携われる保健師の仕事に興味があり、大学院では保健師になるための勉強や研究に2年間かけてじっくり取り組めるため、進学しようと思いました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
武庫川女子大学大学院では、高齢者と母子の継続家庭訪問や都市部と山間部での実習など、地域の住民さんと関わりながら学ぶ機会が他の多くあり、保健師としての実践能力をつけることができると考えたからです。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
入試では、英語と専門科目の筆記試験と面接がありました。筆記試験の過去問を大学のウェブサイトから入手できたため、出題形式や傾向をつかむために活用しました。英語の対策として、卒業研究で使用する英語論文やWHOのウェブサイトを読み、紙の辞書を使いながら和訳していました。専門科目の対策としては、大学で受講した公衆衛生看護学概論の復習や看護師国家試験の学習をしていました。面接は、大学のゼミの先生に模擬面接をしていただき、受け答えの練習をしました。
Q4 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
昼食会に参加する独居高齢者のフレイルと食品摂取多様性との関連をテーマに研究に取り組んでいます。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
アルバイトとして大学院の先生の研究支援員をしています。授業や実習、研究などで忙しい時期は先生と相談して、可能な時にできるように調整していただいていました。
Q6 印象に残った授業や実習を教えてください。(どんな内容だったか、なぜ/どういう点が印象に残ったか、看護実践にどう生かせそうか等)
印象に残っている実習は、1年生で実施する継続家庭訪問です。母子と高齢者さんの家庭それぞれを半年間かけて毎月訪問させていただきました。実習では対象者の方の家庭に出向き、お話しをする中でご家族を含めた健康状態や生活状況などの情報収集をし、アセスメントしていきます。訪問を重ねるごとに対象者の方の生活や思いをより深く知ることができ、関係性を築きながら継続して関わることの大切さを学びました。また、母子の訪問では、子どもが成長・発達していく様子をお母さんと一緒に見られたことが私にとって大きな喜びでした。実習を通して保健師としての知識や技術、対象者の方との関わりを学ぶことができたと感じています。
Q7 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
保健師コースは地域で生活する方と関わる機会が多くあり、保健師になるための実践能力をつけられると同時に、人としても成長できる環境だと思います。学生同士や先生方との距離が近く相談しやすいですし、先生方からのご指導もとても手厚いです。保健師の仕事に興味のある方は、ぜひ進学を検討してみてください。
現在の看護学研究科HP「大学院生の声」のページはこちらです。よろしければご参照ください。
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https://www.mukogawa-u.ac.jp/~kango/gschool/voice.html
大学院の修了生さん紹介 修士課程 看護学研究コース:永野 彩乃 さん
武庫川女子大学大学院看護学研究科看護学専攻
2020年度 修士課程(看護学研究コース)修了
修士論文のテーマ「高齢摂食嚥下障害者の退院後の生活における介護者の困り事からみた継続看護の必要性」
看護専門学校を卒業後、看護師として国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)に就職。
2010年より西宮協立脳神経外科病院看護部勤務。
2017年に摂食嚥下障害看護認定看護師の資格を取得。
2019年に武庫川女子大学大学院看護学研究科 修士課程(老年看護学分野)に入学,2021年3月に修了。
同年4月に愛知医科大学大学院医学研究科博士課程(緩和・支持医療学専攻)に進学し、2024年3月修了。
Q1. なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
摂食嚥下障害看護認定看護師の資格取得後,エビデンスに基づいた実践を心がけているなかで,様々な臨床疑問が浮かんできました.既存のエビデンスでは解決できないことも多く,自分自身でも臨床疑問を研究で明らかにしていきたいと思うようになり,大学院進学を決意しました.
Q2. 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
まず,希望していた老年看護学分野で公表されていた実績を拝見して,私の研究テーマに関連した研究が多かったため,十分な研究サポートを期待できたことが選択の理由でした.さらに,今までどおり仕事は続けながら学業を両立したかったため,夜間と土曜日に授業を受ける社会人向けのプログラムであることと,自宅と職場の両方から通いやすいことも重要視しました.
Q3. 大学院入試の受験勉強はどのようなことをしましたか?
前年度の入試問題の内容を確認して対策を考えましたが,非常に幅広い内容でしたので,特別な対策を考えることは難しかったです.そのため,週刊医学界新聞の看護号のバックナンバーを読むなど,看護分野での最新の話題や注目されているトピックについて知見を広げました.
Q4. 修士論文ではどのようなことを研究しましたか?
摂食嚥下障害のある高齢入院患者の退院後の生活について,アンケート調査を行ないました.退院後の食事摂取状況,退院前指導が役に立っているか,不足した知識はなかったか,摂食嚥下障害に関連した困り事とどのように対処しているかなどを調査し,摂食嚥下障害高齢者とその家族を対象とした継続看護における課題を明らかにしました.
Q5. どのように仕事と学習・研究を両立させましたか?
看護部長と所属の看護課長に大学院のカリキュラムと講義の日程を説明し,夜勤を減らしてもらうなどシフトに配慮していただきました.1年目は授業も課題も多かったので,正直とてもしんどかったです.自宅では集中が途切れやすいので,休みの日は大学院生室で集中して課題や研究計画に取り組みました.図書館も過ごしやすく,美味しいコーヒーを飲みながら文献や小説を読むのが良い息抜きの時間でした.
Q6. 大学院在学中の思い出を教えてください。
様々なバックグラウンドや経験をもつ同期生達と,臨床や教育,研究等について深く話し合えたことは,非常に大きな学びでした.ランチタイムのおしゃべりもとても楽しかったです.また,選択授業として老年看護だけでなく,成人急性,成人慢性,在宅,食物栄養など多様な講義を履修でき,知識を深めることができました.
Q7. 大学院での学びは、現在の活動にどのように生かされていますか?
論理的思考が鍛えられたことで,臨床での診断推論や看護実践が深まりました.研究を通して文献検索のスキルも向上したため,必要なエビデンスや情報にたどり着きやすくなりました.修士課程で研究の楽しさを実感できたので,研究を続けることができています.
Q8. 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
大学院での学習と研究は決して楽ではありませんでした.けれど,仕事だけでは得られない仲間と経験を得ることができます.科学的,論理的思考は研究だけではなく臨床での看護実践を高めてくれます.勇気をだして一歩踏み出してみてください.
ラビークラブの見学会に参加してきました
ラビークラブとは、武庫川学院の一時預かり保育ルームです。ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みの一環として開設され、認可外保育所の基準に従って男女共同参画推進課が運営されています。教職員のみならず学生や大学院生も利用できます。また、学会・講演会開催時などの一時預かり保育もされています。
大学の近くの木造の家屋をリノベーションして、とても落ち着く空間になっています。
満1歳から12歳までのお子さんが利用できます。
利用時間は平日、土日祝の7:30~21:30となっています(要予約)
詳細はこちらをご覧ください。
https://www.mukogawa-u.ac.jp/~gsankaku/nursing/club.html
かわいい絵本はもちろんのこと、お子さんが安全にすごせるようにテレビ周りのクッションやAEDもあります
縁側と庭もあってとても落ち着きます。
一番人気のおうちです。障子があって懐かしい感じがしますね。
経験豊富なベビーシッターさんに、丁寧に保育をしていただけます。
ラビークラブに来ることを楽しみにしているお子さんがたくさんいらっしゃるそうです。
看護学研究科には、ラビークラブを利用しながら大学院で学んで修了された大学院生さんもいます。
https://info.mukogawa-u.ac.jp/kango/blog/1113
大学院生さんもぜひご活用ください。
大学院生さん紹介 修士課程看護学研究コース:横山由起子さん
看護専門学校を卒業後、学位授与機構で看護学士を取得。病院勤務を経て訪問看護ステーションに勤務。在宅看護に関する研究方法や理論を学ぶため修士課程に進学。現在は訪問看護に従事しながら在宅終末期療養者に対するスピリチュアルケアについての研究に取り組んでいる。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
私は長年の訪問看護師の経験から、在宅終末期療養者が人生最期を穏やかに迎えることができるために充実した看護を提供したいと考えました。そのために研究方法を論理的に学び、自身のスキルアップのために大学院に進学しようと思いました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
現在の勤務を継続しながら学ぶことができ、学びを即実践につなげることができると思いました。また、自宅や職場からの通学の利便性や、看護学部の卒業生である娘から先生方の熱心な指導について聞いていたので、迷うことなく本学を選びました。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
勤務をしながら時間を確保することは大変でしたが、毎日短時間集中で、いつまでにどこまで勉強するか目標を立てて取り組みました。専門科目は、看護師国家試験の問題集を一通りやり、記述式でも説明できるようにしました。試験では、自身の専門分野以外にどの分野を選択するかをある程度決めていましたが、どの分野についても厚労省のホームページから最新の情報を得るようにしていました。英語は医療系の長文読解をしながら、文法の確認や単語を繰り返し覚える努力をしました。
Q4 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
熟練訪問看護師が実践する在宅終末期療養者に対するスピリチュアルケアについての研究に取り組んでいます。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
仕事ではできるだけ残業をしないように心がけていますが、現実はオンコール対応や忙しい時期は仕事を優先する時もあり、体力的にもつらいことがあります。帰宅後は家事を済ませた後、すぐに学習や研究の時間として、短時間でも有効に使うようにしています。特に休みの日は集中して学習しています。
Q6 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
私は数年間、大学院進学を悩んでいましたが、進学したいと思ったその時がチャンスだと思います。様々な職場で勤務されている看護師同士が集まることで、新たな発見や学びが多くあり、入学して良かったと思っています。仕事との両立は大変かと思いますが、進学を考えている皆様、ぜひ頑張ってくだい。
大学院生さん紹介 修士課程看護学研究保健師コース:伊藤倫さん
神戸大学医学部保健学科看護学専攻を卒業後、保健師免許の取得を目指し、2021年4月に修士課程看護学研究保健師コースに入学。修了後、保健師として、地元の保健センターに勤務。
Q1 なぜ保健師コースに進学しようと思ったのですか?
大学時代の看護学実習で生活習慣病の患者さんを受け持ち、病院でのケア以外に、自宅に戻られてからの支援や普段の生活での健康づくりも大切であると感じました。保健師は、看護職の中でも、地域の住民さんを対象に健康的な生活を支援する役割を担っています。私も疾病予防・介護予防など、住民さんの健康的な地域生活の支援に携わりたいと思い、保健師コースへの進学を決めました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
保健師コースのある大学院の中で、都市部と山間部の両方で臨地実習を行うなど、実践的な学習に力を入れている点に魅力を感じ、武庫川女子大学大学院を選びました。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
試験科目は筆記試験の専門科目と英語、面接の3つでした。筆記試験は過去問を入手し、活用していました。筆記試験のうち、専門科目は必須である公衆衛生看護学分野以外の分野をすべて勉強する時間はなかったため、基礎看護学や成人看護学など分野をいくつか決めて、国家試験の内容を学習していました。英語は、医中誌Webで英語論文を検索し、時間制限を設けて和訳したり、英単語(特に医療系)の復習をしたりしていました。面接は、志望理由や大学院で学びたいことなど、質問と回答の準備・受け答えの練習といった一般的な面接対策を行いました。
Q4 保健師コースの授業や実習で印象に残っていることは何ですか?
大学院の実習で印象に残っているのは、1年の継続支援実習です。継続支援実習では、母子と高齢者さん宅へ1年間、継続して家庭訪問しました。家庭訪問では、対象者さんのご自宅に伺い、限られた時間の中で情報収集を行います。現在の生活状況や利用しているサービス、身体状況をアセスメントし、さらに継続して訪問を行うための信頼関係の構築にも努めます。実際に地域で生活する住民さんと接することで、保健師としての住民さんとの関わり方やアセスメントすべき項目など、実践に必要な技術・知識の習得につなげることができると感じました。
Q5 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
老人クラブ会員におけるボランティア活動と身体・心理・社会的健康状態との関連をテーマに研究に取り組んでいます。
Q6 保健師コースの進学を考えている方へメッセージをお願いします。
保健師という職業についてあまりイメージが湧かない方もおられると思います。私自身、保健師コースに入学するまで、保健師の方々の役割については漠然としたイメージしかありませんでした。しかし、大学院での授業や実習を通して、住民さんにとって身近な存在として健康的な生活を支援する保健師は、とても魅力的であり、やり甲斐のある仕事なのだと実感しました。少しでも、保健師や公衆衛生に興味があれば、ぜひ保健師について調べてみて、保健師コースへの進学を検討してみてください!
大学院生さん紹介 博士後期課程:原口梨那さん
NICU、手術室、外科病棟で臨床経験後、看護大学で教員をしながら、障害を持つ子どもと家族の支援にも活動を広げている。仕事と子育てをしながら、研究方法や看護における視野を広げるため、博士後期課程に進学。意思決定支援に関する研究に取り組んでいる。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
修士課程は教育学を選択し、障害や共生について学びました。博士課程では、長い臨床経験の中で看護師として臨床で感じた倫理的問題から、臨床倫理や意思決定支援に関するテーマについて研究を通して学びを深めたいと思い進学しました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
同僚に博士課程を修了した方がいて、進学や受験に関するアドバイスを受けました。上司の理解もあり、「仕事を続けながら」という選択が可能だったためです。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
臨床現場を離れていても、臨床倫理のセミナーや学会に参加することで自分が研究したいテーマについて新しい知識が得られるようにしました。英語については、大学院入学のための英語講座を受け、休日は息子と娘の勉強時間に合わせて学習しました。
Q4 博士後期課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
重篤な疾患を持つNICU入院児の親への意思決定支援に関する研究に取り組んでいます。自身が臨床で悩んだ経験や、時代と共に変化していく医療現場の状況を踏まえ、文献検討、新生児集中ケア認定看護師へのインタビュー調査から得られた貴重なデータを感謝しながら分析し、その結果をもとに第2研究を進めています。子どもや家族の生き方、社会としてどう考慮すべきかを考えながら、自ら意思決定できない子どもに代わって、親と医療者が倫理的観点で方針を決定していくための支援について検討しています。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
時間をかけてじっくり取り組む分析に関しては、平日は眠気との戦いになるため、週末に必ず時間を決めて取り組んでいます。パソコンでの作業が多いこともあり、体力維持を目的に、日曜日は大好きなバレエで心身ともに身体を動かしリフレッシュできるようにしています。
Q6 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
武庫川女子大学は図書館や大学院生室などの設備も整っており、先生方にも相談しやすい環境で心強いです。研究に取り組むための時間の確保や調整に悩むこともありますが、看護師経験年数や分野が異なっても現場を離れず学んでいる同期も多く、情報交換や励まし合いながら取り組むことができます。
むこじょTVに出演!
朝日放送テレビでは、毎月第1月曜日の17:15に「むこじょTV」が放送されています。
4月は大学院修士課程の看護学研究保健師コースの佐藤さんが登場しました。
まちの保健室や家庭訪問実習の様子がとりあげられています。
下記をクリックするとYouTubeで視聴できます。
★2022年度大学院修了式★
2023年3月19日(日)、大学院の修了式が行われました。
お天気も良く、文字どおり「ハレの日」となりました。
2022年度は、
博士として、後輩の育成を期待しています!
修士論文の成果を現場に還元して、
修士号が授与された13名のうち、
大学院進学には関心があるけれど、
一歩踏み出してみませんか?
大学院生さんの紹介:博士後期課程
博士後期課程:山本 孝治さん
看護専門学校卒業後、保健師養成課程を経て、総合病院に就職。糖尿病や腎臓内科系病棟で勤務した後、看護専門学校の教員に。慢性看護を探究する研究方法を学ぶため、大学院に進学。現在は慢性看護学の講師として福岡県の大学に勤めながら、博士後期課程に在籍。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
率直にいうと、研究について探求したいと考えたためです。研究に取り組むうえで心がけていることに、「看護実践に活かせる研究を行う」があります。この実現には、博士課程に進学して研究方法や看護理論について学び、研究の実践に繋げたいと考えました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
私の専門領域である慢性看護と研究テーマである炎症性腸疾患患者への看護について先駆的に研究に取り組まれる先生がおられ、研究の指導を受けたいと考えたためです。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
入試科目に英語があるので、英語の文献を毎日読んで英文に慣れるように対策をとりました。また、博士課程でどういった研究に取り組みたいのかを明確に説明できるように、プレゼンテーションの準備を計画的にすすめました。
Q4 博士後期課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
クローン病患者のセルフケアに関する研究に取り組んでいます。文献検討から始めて、インタビュー調査、質問紙調査へと段階的に進めています。クローン病は難治性の疾患で治療法が未だ確立されていないため、患者自身が行うセルフケアについて検討し、セルフケアを高めるための支援について検討しています。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
現在、看護大学に所属しており、仕事もハードですので…メリハリをつけるようにしています。「今日は研究についてどこまでやる!」とか「この期日までに〇〇を完成させる」など目標を決めて、達成できたらチェックマークをつけるなど、モチベーションを維持する工夫もしています。
Q6 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
私にとって、博士課程での学びは一生の財産になると思っています(現在進行形です)。武庫女の先生方は豊富な研究実績をもっておられ、私たち院生に多くの刺激を与えてくださいます。
進学を考えている方は、ぜひ前向きに検討されてはと思います!
大学院生さんの紹介:修士課程看護学研究コース
修士課程看護学研究コース:松尾 千恵美さん
兵庫県立リハビリテーション中央病院に就職し、8年後に脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の資格を取得。看護研究の方法論や論理的な思考を習得したいと考え修士課程に進学。職場の理解と協力を得て、勤務しながら退院支援をテーマに研究に取り組んでいる。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
看護研究は技術の有用性を裏づけるためにエビテンスを得ることで、根拠のある技術に変わっていき、結果として看護ケアの質の向上に繋がります。私の勤務する病院では、看護研究の方法論や分析方法など、近隣の大学の教授から指導を受けています。しかし、指導を受けられる時間は限られているため、各病棟で悩み、試行錯誤を重ねながら進めているのが現状です。そこで、自身が大学院に進学し、研究に関する知識を得ることができれば、病院で取り組んでいる看護研究の一助となり、結果として病院の看護ケアの質の向上に繋がるのではないかと考え進学しました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
私は脳卒中リハビリテーション看護認定看護師として病院で活動しています。そのため、臨床を継続しながら進学できる大学院を探していました。武庫川女子大学大学院は働いている看護師をサポートしたいとパンフレットに記載されていたため、選びました。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
英語はCD付きの本を購入し、自宅にいる時は本を読んで勉強する以外は、常にCDを流して聴覚からも刺激を入れました。看護に関しては、認定看護師になったころから脳卒中のことばかり勉強していたため、その他の分野は自信がなく、教科書を各分野すべて読み直し、代表的な疾患など抽出し、まとめました。
Q4 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
脳卒中リハビリテーション看護認定看護師が行う退院支援についての研究をしています。
Q5 どのように仕事と学習・研究を両立させていますか?
私は認定看護師の仕事が大好きで、気を抜くと仕事ばかりに夢中になってしまうので、レポートの締め切り前などは、そちらに集中するよう計画的に勉強するようにしています。もともと計画を立ててから取り組まなければ抜けてしまうことが多いので、計画的な学習は私にとって必須です。また、家に帰ると時間ばかり経過するのに何もまとまっていないことも多々あるので、仕事の後に1~2時間、病院の図書室などで集中して勉強して帰るようにしています。
「修士過程の仲間と」(中央が松尾さん)
Q6 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
先生方や同期との出会いで視野が広がり、多くのことを学べています。本当に進学して良かったと思っている毎日ですので、進学を考えておられる方にはおすすめいたします。
大学院生さんの紹介:修士課程看護学研究保健師コース
修士課程看護学研究保健師コース:岸野 仁美さん
本学の看護学部を卒業後、修士課程看護学研究保健師コースに入学。
母子保健に関心をもち、保健師として自治体で勤務することを目指している。
Q1 なぜ保健師コースに進学しようと思ったのですか?
看護学部の授業で、保健師はすべての地域住民を対象として、健康の維持・増進に予防的に関わることができると知り、魅力的に感じたからです。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
本学の大学院を選択した理由は、1年かけて行う家庭訪問実習等で実践能力を養うことができること、都市部と山間部での実習で地域特性に応じた健康課題を導き出す力を身につけることができると考えたからです。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
推薦入試では学部の成績も評価されるため、ふだんから定期試験の勉強に励み、面接練習もしました。一般選抜で入学した方からは、英語と看護師国家試験の復習をしたと聞いています。
Q4 保健師コースの授業や実習で印象に残っていることは何ですか?
印象に残っているのは、1年次に行う継続支援実習です。最初は対象者のご家庭に入るということに不安を感じていました。しかし、継続して家庭訪問を行うことで、対象者と関係性を築き、対象者の生活やニーズを知ることができたと感じています。
Q5 修士課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
「幼児のメディア利用の実態と生活習慣の関係」についての研究を行っています。
Q6 保健師コースの進学を考えている方へメッセージをお願いします。
講義や演習に加えて、実習や修士論文の研究があるため忙しく、大変なこともありますが、公衆衛生看護学について深く学ぶことができていると実感できるので楽しいです。保健師になるためのプログラムが段階的に構成されていることや、少人数制のため先生からのサポートが手厚く、安心して学ぶことができると感じています。
武庫川女子大学大学院修了式
3月20日(土)、本学で大学院の修了式が行われました。
答辞を述べる総代の上田香さん
仕事と学業の両立は大変なものでした・・・
その後、看護科学館で町浦研究科長より修了生一人一人に学位記が授与されました。
「あ~修了なのか。」と、寂しくも感動な修了式でした。
修了生の皆様、自身の研究成果を社会に還元できる日がきましたね。
今後の活躍を期待しています。
大学院生さん紹介:博士後期課程 ・間中麻衣子さん
間中 麻衣子 さん
大学院看護学研究科 博士後期課程3年(母性看護学分野)
市民病院に助産師として勤務しながら、大学院で学ぶ。
研究成果を国際学会で発表(口演)
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
修士に進学したのは、助産師として何かスキルアップしたいと考えたからです。職場でグループ研究を行った際に、研究手法や分析方法に不安を感じ、研究の進め方について基礎的知識からしっかり学びたいと考えました。
博士に進学したのは、修士課程で研究のプロセスを経るうちに、研究の奥深さを知り、さらなる課題が見出されたことでその課題について追求したいと考えたからです。また、先生方に様々な角度から助言をいただくことで発想が広がり、次の研究に発展させたいという思いが深まりました。
Q2 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
修士課程の指導教員に紹介されたことや自宅から比較的近かったこと、キャンパスが綺麗で設備も充実しており楽しそうだと思ったからです。また、受験前に現在の指導教員に直接面談していただいたことで、具体的な助言が得られ、研究課題を検討するための方向性がイメージでき、先生のもとで取り組みたいと思いました。
Q3 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
勤務の合間に少しずつ時間を見つけ、無理のないよう対策を行っていました。1期生のため過去問はなかったので、他大学の過去問を探し、英文の和訳や専門分野の対策をしていました。通勤中の電車内なども、意外と集中できる場だったかもしれません。
Q4 博士後期課程で取り組んでいる研究テーマを教えてください。
産後うつ発症リスクのある女性に対する予防的介入を行い、その効果を検討しています。効果の検討には量的・質的の両方の観点から分析するミックスメソッド(混合研究法)を用いています
Q5 助産師・2児の母としても多忙な中、どのように研究の時間をつくっていますか?
勤務を含め予定を記入したスケジュール表に研究課題を行う予定も記入するようにしています。あらかじめ自分の中で計画を立てた上でその計画から大きく外れないよう予定を調整し、研究の時間を作るように心がけています。また、時間を作る上で家族によるサポートは不可欠です。また、勤務調整をしてくださっている職場の方々にとても感謝しています。
Q6 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
時間のやりくりは難しいですが、自分が努力して取り組んだことが反映される達成感ある経験ができると思います。また、学びを勤務施設に還元できる機会にもなると思います。取り組みたい研究課題がある方はぜひ、一緒に頑張りましょう。
大学院生さん紹介:修士課程 保健師コース 1年 岡部 芳美さん
岡部 芳美さん
大学院看護学研究科(看護学研究保健師コース) 修士課程1年(公衆衛生看護学分野)
一般職から看護の道を決意し、専門学校卒業後すぐに当大学院に進学
養護教諭の妹を持つ
Q1. 今までの経歴:一般職から看護の世界に
はじめは看護ではない大学を卒業して一般就職をしたんですが、祖母が倒れたのをきっかけに、人を助けられる仕事に興味を持ち3年生の看護専門学校に入学しました。その時点では看護師になろうと思っていたのですが、実習先で家に帰ることができない患者さんに出会い、健康であればその人らしく地域で過ごせるのにと感じていました。
はじめは訪問看護師も考えましたが、訪問看護は病気になった後、保健師は病気になる前からかかわれるというところで、私の思いに合うのは保健師のほうだと思い進学を決めました。
Q2. 武庫女の大学院で保健師を学ぶメリット:先生との距離が近いことやディスカッションができる
実習で悩むこともありますが、理論を学べたり他の院生とディスカッションをすることで方向性が見えてくることも多いです。私の場合、専門学校卒業後すぐ大学院に進学したので、臨床経験が全くなくて初めは不安だったんですが、経験豊富な同期の院生たちから大切にしていることやアドバイスをもらえるので得るものは大きいです。
実習や課題は大変ですが、保健師コースは人数が少ないので先生や先輩との距離が近く、とてもアットホームです。先生は丁寧に振り返りをしてくれたり一つ一つの記録に時間をさいてみてくれるのでとても安心できます。指導の仕方も、どこができていて、どこが課題なのかが的確に指導してくれるのでとても分かりやすいです。実習先の指導者さんからも助言をもらえて自分の課題を見つけることができるので、よい学びにつながっています。
Q3. 大学院入試の受験勉強:看護の国試と英語(長文)の日本語訳をメインに
看護の問題と英語の問題があるのですが、私は看護師国家試験の前日に入試だったので、看護は国試の勉強をしていました。英語は過去問を解き、繰り返し出てくる医学論文特有の英単語や熟語は暗記するようにしていました。主に英文を日本語訳する問題が多かったような覚えがあるので、文法の勉強よりも長文に出てきそうなテーマを日本語で理解しようとしていました。
Q4. 研究テーマ:一人暮らしの男性高齢者への支援について
実習を通して、一人暮らしの男性高齢者はとくに閉じこもりが多いことを実感しました。そこで、地域で生活できるように保健師としてどのように支援ができるのか研究してみたいと思っています。
Q5. 修了後の進路:行政の保健師になりたい
行政の保健師になりたいと考えています。保健師として幅広い経験を積むことができるよう、先生方とも相談しながら、就職先を検討していく予定です。
Q6. 保健師コースの受験を考えている皆さんへ:看護の臨床経験がなくても得るものは大きい
臨床経験がない私でも、モチベーションの高い先生・先輩・同期からたくさんのことを学べるし刺激をもらえます。学びたいことが学べ、困ったことはすぐに相談できる環境がそろっているのも魅力の一つです。皆さんに会えるのを楽しみにしています。
保健師コースの岡部さん、ありがとうございました。
これからも頑張ってください!
大学院生さん紹介:修士課程 看護学研究コース 2年 西田 紀子さん
西田 紀子さん
大学院看護学研究科 修士課程2年(小児看護学分野)
総合病院の小児科看護師として勤務しながら、本学の大学院に進学
アレルギー疾患をもつ小児のケアのスペシャリストとしての資格である小児アレルギーエデュケーターを持つ。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか。
A 私が学生(医療短大)だった頃に、当時の先生方が「看護はぜったい大学教育になるから、いずれ帰ってらっしゃい」と、刷り込まれるように言われ続けていました。それがずっと頭の中にあったんですが、大学院となると仕事をやめてまで進学する勇気がでなくて。仕事しながら進学できるところがないかなとだいぶ前から探していました。そしたら武庫川女子大学が大学院を作るという情報が出てきて、ここだったら今の仕事しながら進学できるし、教員も当時の医療短大のときの恩師の先生方が揃っていたので、もうここで決まりでした。家から近くて駅からのアクセスがいいところも決め手の一つでしたね。仕事が終わって授業を受けに行くためには通学時間も重要なので。私の条件が全て揃った場所でしたね。
昔、「帰ってらっしゃい」と言っていた先生たちが、帰ってこられる場を作ってくれたと語る西田さん
Q2 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
A 武庫川女子大学の大学院を知ったのが8月頃だったので、受験まで2ヶ月間しかなかったんです。オープンキャンパスのときに先生に「英語どんな勉強したらいいですか」と聞いてみたら、「基本的な読解力が求められるから、英語の文章を読む練習をしといてね」と言われました。なので、辞書を引いて英語が読める状態にしておこうと思って。でもさすがに一人で勉強するのは不安だったんで、「大学院受験のための個人塾」みたいなものだけやってみました(6回コース)。そこでの課題はだいぶむずかしかったんですが、実際の受験では複雑な構文ではなくて比較的読みやすい、たしかに「基本的な読解力」が問われる問題だったのでなんとか解けた気がします。なので、看護系の英語を読む練習をしておけばいいように思います。
専門領域の問題では、小児と基礎の分野をえらびました。小児は自分の専門領域なので、臨床で真面目に看護師していれば解ける問題でした。基礎の方は有名な看護理論が載っているような薄い本で勉強していたのですが、臨床していると理論は状況が思い浮かぶので勉強していてすごく楽しかったです。その勉強だけでとりあえず答案用紙は埋めることができました。
Q3 修士課程の研究テーマを教えてください。
A 私が小児アレルギーエデュケーターとしての資格を持っているので、その小児アレルギーに関連するようなテーマにしたいなと思っていました。今回の研究テーマでは、小児アレルギーエデュケーターが、子どもたちの不安な気持ちや困難な状況をどのように認識しているのかを調査してみました。
Q4 その研究テーマはどのようにして考えたんですか
臨床にいたらいろんなことを思うんですけど、それをどう研究に結びつけたら良いのかは難しかったですね。先生が「研究のことを考えず、まずは思っていることをしゃべってみて」と言われて、先生とのディスカッションの中で絞り込んでいきました。最初から研究計画書を書いてきたわけじゃなかったですね。受験のときにとりあえず書いた内容では(今考えると)大きなテーマだったんですが、大学院に入ってから絞り込んでいって、そのときのテーマにつながるような研究に落ち着きました。
大学院生さん紹介:修士課程 看護学研究コース 2年 嶌 ひかりさん
嶌 ひかりさん
大学院看護学研究科 修士課程2年(老年看護学分野)
市民病院の看護師、看護専門学校の教員などの勤務の後、本学の大学院に進学
5歳のお子さんとともにLavyクラブ(大学内の託児所)を利用しながら2年間勉学に励まれた。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか。
A 看護師していた頃からステップアップしたいなという思いは常にあって、専門学校の教員のあと、大学の助手として勤務したんですが、大学院に行って修士を取った方がいいと上司から勧められたのがきっかけです。その時たまたま武庫川のオープンキャンパスがあるというのを聞いて、より決意が固まった感じです。また、以前に研修で指導をしていただいた阿曽先生(学部長)がいらっしゃったことも大きいです。
あとは、受験をする当時、娘が3歳だったので、保育施設があるところ、駅からのアクセスがいいところも大きかったですね。仕事と子育て、そして勉強とを続けられるか不安な気持ちはありましたが、担当の徳重先生に相談すると、とても雰囲気良く受け入れてくれたのでやっていけそうかなと思い決意しました。
Q2 大学院入試の受験勉強はどのようにしていましたか?
A 受験は英語と専門科目(看護)の問題だったんですが、英語を特に勉強していました。長文の英語にだいたい2ヶ月間、毎日親しむようにしていましたね。ちょっとした合間を見つけては英語を見ていました。わからない単語が出てきたらすぐ辞書を引いて確認するというやり方をしていました。
本番ではそれまでに勉強していた甲斐もあって、なんとか解くことができました。受験中は辞書を貸してもらえて、たまに開きましたが、だいたい分かるような単語でした。でも英語はわからないと書けないので、やっぱり勉強しておいて良かったなとは思います。
専門科目の勉強は自分の専門分野の参考書をみたりして勉強していました。専門科目の試験は記述式だったので空白がないようにとにかく知っていることを書くようにしました。
Q3 子育てをしながらの2年間はどうでしたか?
A 勉強は娘が寝てからしていました。通学は、大学のLavyクラブ(大学内の託児所)まで一緒に連れてきていたんですが、意外と子どもも電車にのるのを喜んでくれたり、Lavyクラブも楽しいみたいで。たぶんLavyクラブの支援がなかったらここまで続けられてなかったと思います。Lavyクラブは預ける時間をこちらの都合に合わせてくれたことも助かりました。夜間の講義の時も預かっていただけましたし、施設はきれいで十分な広さがあり、季節ごとの飾り付けとかもあって安心できました。
また、子どもがいたからこそ励みになった面もあります。子どもへ最後までやりきった姿を見せられたのが良かったです。子どもの卒園式と私の修了式が同じ時期なので、大きくなったときに思い出にもなります。
Q4 修士課程の研究テーマを教えてください。
A サーベイランスに興味があって、感染に関する研究をしたいと思っていました。文献検討から始めて、その中から認定看護師に焦点を当てることにしました。認定看護師の教育課程も最近変わったので、実際に認定看護師がどんな指導をしていて、行っている判断基準とか、現在の課題とかを明らかにするような実態調査をしました。そこでわかったことを今度の2月の学会に発表していこうと思っています。
大学院生さん紹介:修士課程 看護学研究保健師コース 2年 乙津 絵里佳さん
乙津 絵里佳さん
武庫川女子大学大学院看護学研究科看護学専攻
修士課程 看護学研究保健師コース 2年
広域実践看護学領域 公衆衛生看護学分野
関東の大学病院で10年間看護師として従事した後、本学の大学院看護学研究科に進学
Q1 なぜ保健師コースに進学しようと思ったのですか。
A 学生の頃から、病院におられる患者さんやご家族だけでなく、地域の人たちと関わることには興味がありました。看護師として病院で勤務する中でもその気持は変わらず、こちらから地域に出向いて「こんにちは!」みたいな感じで訪問できたらなと思っていました。
病院は重症化してから受診される方も多く、やっぱりこれではいけない、重症化する前からの関わりや支援が必要だと思い、保健師コースに進学することを決めました。これは病院での臨床経験があってからこその気付きだったと思います。
Q2 武庫女の大学院で保健師を学ぶメリットは何ですか?
A 大学院では2年間という期間があるため、保健師に関する勉強にかけられる時間がとても長いことではないでしょうか。特に実習は充実しています。2年生では、3週間(公衆衛生看護学実習Ⅰ)、2週間(公衆衛生看護学実習Ⅱ)、1週間(公衆衛生看護学実習Ⅲ)と保健所、保健センターでの実習があります。それ以外に1年生では公衆衛生看護学継続支援実習がありました。その継続支援実習というのは、1組の乳児と母親に対して概ね月1回、9か月間かけて継続して訪問します。「はじめまして」の時から、「離乳食が始まりました」「はいはいしました」「つかまり立ちしました」と乳児の成長・発達を目の当たりにすることができます。また、「離乳食を食べなくて困る」や「動きが激しくなって大変」など、母親の悩みが変化していくことも知ることができました。「少し手が離れてきて外にも積極的に出られるようになった」など、母親が日々の育児の中で感じておられる喜びを私も共有させていただきました。継続して訪問させていただくことで、お子さんの成長・発達により変化するお母さんの気持ちにより添いながら支援していくことの大切さと難しさを実感しました。
継続支援実習では高齢者の方も担当させていただきました。家に閉じこもりがちな方だったのですが、訪問するととても話好きな方でたくさんお話を聞かせていただきました。その方の生活歴や生き方、今後の将来についてなど多くのことを語っていただき、訪問を重ねることで信頼関係が深まっていくことが実感できました。
Q3 大学院の研究に加え、保健師の実習は大変ではないですか?
A 正直いって実習は大変です(笑)。実習前の準備や記録を作成するために必要な時間も多いです。しかし、講義や演習で学んだ基礎を踏まえ、7週間の実習を経ることで保健師に必要な力を身につけることができ、エビデンスをベースとした保健活動ができる保健師に成長できると思っています。
実習では、保健師さんが市の保健計画を立てていくところや、市の計画、方針に沿って活動していることが理解できました。保健師さんに同行して学ぶ家庭訪問や学生だけで行かせていただく家庭訪問を通じて、訪問する人を通じて地域全体をみようという視点がでてきました。病院では入院している患者さんという1人の1つの場面での関わりしかありませんが、保健師は個人から地域全体を継続してみられるようにならなくてはなりません。今はその視野を広げられるように学習をしています。
Q4 修士課程の研究テーマを教えてください。
A 生活習慣病予防および介護予防のあり方について研究しています。研究ではある地区を研究フィールドとしています。地域特性をふまえて地域住民の実態を調査し、健康水準を高めていくにはどのような支援が必要かを明らかにしていきたいと考えています。
Q5 修士課程修了後の進路は、現在のところどのようにお考えですか。
A 保健師として就職したいです。地域包括支援センターや企業もふくめて自分自身を活かせるところで働きたいです。また、修士課程で研究も学んでいるので保健師として働きながら保健師活動に活かせる研究も継続していきたいです。
Q6 武庫川女子大学大学院のおすすめポイントは何ですか?
A ここにきて良かったと感じることは、いろいろな立場の人と学べることです。病院の師長さんとか、訪問看護師さん、認定看護師さんなど様々な人が現役で働きながら大学院で学んでいます。病院では聞けなかったような、管理者の立場からの意見も聞けます。それに何よりも、大学院生がみんな「学びたい」という同じ方向を向いた人たちの集まりなので、困ったときには助けてもらえますし、話も聞いてもらえる、時にはこっちが教えるなどしています。院生は仲が良いので、みんなで集まると勉強が進みます。院生同士で刺激しあいながら楽しくやっています。
先生方も熱心で丁寧に関わってもらえています。先生が私をみて、困っているな、行き詰まっているなと気付かれた時は気にかけてくれて、すごく助けてもらえています。
Q7 保健師コースの受験を考えている皆さんへ一言メッセージをお願いします。
A 大学院の授業や保健師コースの実習などイメージがつきにくいと思います。ですので、ぜひ大学院のオープンキャンパス(7月3日:土曜日)に来て武庫女の雰囲気を感じて下さい。きっと学びたいことが学べる充実した院生生活を送ることができると思います。大学院でできた友達は一生の友達になれると思います。ぜひ仲間を作って下さい!
院生室には机とパソコンがあります。
実習の様子
今から家庭訪問に行ってきま~す。
大学院生さん紹介:修士課程 看護学研究コース 2年 藤田 晴久さん
藤田 晴久さん
武庫川女子大学大学院看護学研究科看護学専攻
修士課程 看護学研究コース 2年
広域実践看護学領域 基礎看護学分野
現在、大学病院で看護師長として勤務しながら大学院修士課程に在籍。2児の父でもある。
Q1 なぜ大学院に進学しようと思ったのですか。
A1 研究の基本的なやり方や思考を身につけるために、大学院に行きたいという気持ちは以前からありました。ただ、仕事や家庭のことなどを考えると、すぐに行動に移せなかったというのが正直なところです。でも、そういう環境が整ってきた時に良いタイミングで大学院のお話を頂き、武庫川女子大学大学院に進学しました。
Q2 看護師、夫、父親という役割がありながらの院生生活は大変ではないですか?
A2 仕事も環境も整えて入学したのですが、現実はやっぱり大変なところもありますね。仕事を優先せざるを得ないこともありますし。でも、職場の理解や家族の協力のおかげで、社会人の院生生活にも徐々に慣れていって、最近はうまくやれています。
Q3 なぜ武庫川女子大学大学院を選んだのですか。
A3 ずばり、研究指導をしてもらいたい教授がいたからです。
Q4 男性が女子大学に進学することに対して、抵抗はありませんでしたか。
A4 全くなかったです。そもそも看護師の職場も男性は少数ですからね。それに、武庫川女子大学の大学院は男女共学ですので。
Q5 修士課程の研究テーマを教えてください。
A5 テーマは看護倫理です。看護師の倫理観を高めるための教育的アプローチを実施し、道徳的感性を指標に倫理観の変化を量的に評価していくという研究です。研究フィールドは自分の職場です。研究フィールドがあることや、現場と密着した研究ができるということは働きながら学べる院生の強みかもしれませんね。
Q6 修士の学位取得後の進路は、現在のところどのようにお考えですか。大学院で学んだことをどのように活かしていきたいですか。
A6 現在働いている職場の看護研究のサポートを充実させたいと思っています。スタッフがやっている研究に対して、自分がお手伝いできるものが今よりも+αとなれば、現場の研究はさらに充実するのではないかと考えています。自分の肥やしというよりも、職場に還元するために大学院に来ているという感じです。その方が、モチベーションが上がりますしね。他の院生メンバーも個人のためというより、職場での臨床の課題を持って大学院に通っている人が多いので、とても良い刺激になります。
Q7 大学院の受験を考えている皆さんへ一言メッセージをお願いします。
A7 モチベーションが高い人達が集まってくるので、自身の視野を広げたい、見識を高めたいという人にとっては非常によい環境です。ぜひ入学してほしいと思います!