大学院の修了生さん紹介 修士課程 看護学研究コース:永野 彩乃 さん

2024年03月29日

武庫川女子大学大学院看護学研究科看護学専攻
2020年度 修士課程(看護学研究コース)修了
修士論文のテーマ「高齢摂食嚥下障害者の退院後の生活における介護者の困り事からみた継続看護の必要性」

看護専門学校を卒業後、看護師として国立循環器病センター(現・国立循環器病研究センター)に就職。
2010年より西宮協立脳神経外科病院看護部勤務。
2017年に摂食嚥下障害看護認定看護師の資格を取得。
2019年に武庫川女子大学大学院看護学研究科 修士課程(老年看護学分野)に入学,2021年3月に修了。
同年4月に愛知医科大学大学院医学研究科博士課程(緩和・支持医療学専攻)に進学し、2024年3月修了。

Q1. なぜ大学院に進学しようと思ったのですか?
摂食嚥下障害看護認定看護師の資格取得後,エビデンスに基づいた実践を心がけているなかで,様々な臨床疑問が浮かんできました.既存のエビデンスでは解決できないことも多く,自分自身でも臨床疑問を研究で明らかにしていきたいと思うようになり,大学院進学を決意しました.

Q2. 武庫川女子大学大学院を選んだ理由は?
まず,希望していた老年看護学分野で公表されていた実績を拝見して,私の研究テーマに関連した研究が多かったため,十分な研究サポートを期待できたことが選択の理由でした.さらに,今までどおり仕事は続けながら学業を両立したかったため,夜間と土曜日に授業を受ける社会人向けのプログラムであることと,自宅と職場の両方から通いやすいことも重要視しました.

Q3. 大学院入試の受験勉強はどのようなことをしましたか?
前年度の入試問題の内容を確認して対策を考えましたが,非常に幅広い内容でしたので,特別な対策を考えることは難しかったです.そのため,週刊医学界新聞の看護号のバックナンバーを読むなど,看護分野での最新の話題や注目されているトピックについて知見を広げました.

Q4. 修士論文ではどのようなことを研究しましたか?
摂食嚥下障害のある高齢入院患者の退院後の生活について,アンケート調査を行ないました.退院後の食事摂取状況,退院前指導が役に立っているか,不足した知識はなかったか,摂食嚥下障害に関連した困り事とどのように対処しているかなどを調査し,摂食嚥下障害高齢者とその家族を対象とした継続看護における課題を明らかにしました.

Q5. どのように仕事と学習・研究を両立させましたか?
看護部長と所属の看護課長に大学院のカリキュラムと講義の日程を説明し,夜勤を減らしてもらうなどシフトに配慮していただきました.1年目は授業も課題も多かったので,正直とてもしんどかったです.自宅では集中が途切れやすいので,休みの日は大学院生室で集中して課題や研究計画に取り組みました.図書館も過ごしやすく,美味しいコーヒーを飲みながら文献や小説を読むのが良い息抜きの時間でした.

Q6. 大学院在学中の思い出を教えてください。
様々なバックグラウンドや経験をもつ同期生達と,臨床や教育,研究等について深く話し合えたことは,非常に大きな学びでした.ランチタイムのおしゃべりもとても楽しかったです.また,選択授業として老年看護だけでなく,成人急性,成人慢性,在宅,食物栄養など多様な講義を履修でき,知識を深めることができました.

Q7. 大学院での学びは、現在の活動にどのように生かされていますか?
論理的思考が鍛えられたことで,臨床での診断推論や看護実践が深まりました.研究を通して文献検索のスキルも向上したため,必要なエビデンスや情報にたどり着きやすくなりました.修士課程で研究の楽しさを実感できたので,研究を続けることができています.

Q8. 大学院進学を考えている方へメッセージをお願いします。
大学院での学習と研究は決して楽ではありませんでした.けれど,仕事だけでは得られない仲間と経験を得ることができます.科学的,論理的思考は研究だけではなく臨床での看護実践を高めてくれます.勇気をだして一歩踏み出してみてください.


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