在宅における医療的ケアの演習を行いました
在宅看護学Ⅱの演習では、訪問看護師として第一線で活躍されている、「みんなの訪問看護ステーション」管理者の中村希久子様をゲストスピーカーにお迎えして、ご講義をしていただきました。
テーマは「医療依存度の高い療養者とのかかわり」です。日々の訪問看護の中で経験されている具体的なエピソードを交えながら、療養者とその家族との関わり方、医療的ケアの実際と安全管理、地域連携の重要性についてわかりやすくお話しをしていただきました。
講義の様子
講義のあとは、自宅で行われている胃瘻からの栄養剤の注入方法と高カロリー輸液などの中心静脈栄養の点滴をするためのCVポートへの穿刺技術についてデモンストレーションを行なっていただきました。
デモンストレーションの見学
・中心静脈栄養方法の管理・ケア:CVポートへの穿刺と抜針の演習
学生は、療養者役と看護師役に交代しながら、教員手作りによる人工皮膚でCVポートを覆ったモデル教材に穿刺をします。
利き手でないほうの手でしっかりとモデル教材をしっかりと押さえ、利き手で針をポートに垂直に刺していきます。
針の先端がポートの底面に当たり、「コツン」した感触があるまで針を進めます。
上手く針を刺すことができました。看護師役の学生からは「コツンの感触がわかりにくかった」の感想が、療養者役の学生からは「針を刺されるのは怖い」といった感想が聞かれました。
針を刺される側の気持ちを知り、不安や苦痛に配慮することの大切さを学ぶ機会となりました。
・胃瘻の管理・ケア:半固形栄養剤注入の演習
胃瘻カテーテルを差し込んだペットボトルに、とろみのある半固形栄養剤を注入します。
注入する時は、ゆっくりと「ご気分悪くないですか」と声をかけながら注入します。
注入後は、ティッシュでこよりを作り胃瘻カテーテルを保護します。自宅にあるものを活用するのは、在宅ならではの工夫ですね。
後期から各論の実習が始まる3年生にとって、中村様の講義や演習を通じて、自宅での療養生活のイメージが具体的にもてる良い演習となりました。