卒後教育を支援しています~明和病院との協働研修~(2)

2023年12月11日

本学学部のクリニカル・スキルス・ラボプロジェクトチームでは、明和病院の看護部と協働し、新人期にある看護師の卒後教育を支援しています。今回は、新人看護師を対象として術後患者の事例を用いて実施したフジィカルアセスメントのシミュレーション研修についてご紹介します。

本学学部の設備であるスキルス・ラボの模擬病室を利用してシミュレーションを行いました。まずは、術後2日目の患者に対して、何を観察するのか??どのように観察するのか??その観察の根拠は何か??についてグループで意見交換を行い、大きな付箋ボードに意見をまとめていきました。

教育用カルテで患者の経過や情報を確認して、必要な観察項目を考えています

グループには、部署の指導者である先輩看護師の参加して新人看護師の学びをサポートしました。先輩看護師の助言も踏まえながら観察項目や観察の視点を整理していきました。

そして、いよいよ実践です!!グループで考えた観察項目に基づき、シミュレーターを用いて再現した患者の病室に行き、実際に術後2日目の患者に観察を行いました。

「術後の傷の痛みはどうですか??」との声掛けに患者(シミュレーター)からは「傷が痛いんです・・・動けないです」との返答がありました。シミュレーターといえども実際の患者に接しているような会話を行うことができ、リアルなコミュニケーションに参加者のほとんどは、驚いていました。代表グループが実践している様子をオンラインでつなぐことで、実践していない参加者も患者に実施している観察やその結果について共有することができるようにしました。

代表グループの実践場面をオンラインでつないでいるところです

代表グループの実践を踏まえて、今度は、観察の結果から患者に何が起こっているのかをグループで検討していきました。「痛みがあるみたいだから、やっぱり創部痛が強いよね」「お腹が張っていて、腸蠕動音も微弱だから腹部症状が気になるよね・・・」など、患者の観察結果で気になる点を挙げていき、そこから患者に何が起こっているのかを考えていきました。

患者の観察結果から気になる点を考えています

最後は、観察結果とそこから判断したことをふまえて指導者に報告を行いました。実際に、先輩看護師が指導者となり、新人看護師はグループで検討した結果について報告を行いました。報告を聴いた先輩看護師からは、報告の内容や新人が考えたアセスメントについてフィードバックがなされました。

指導者役の先輩看護師に報告をしています

参加者からは、「業務に追われる日々で改めて患者の訴えをしっかり聴くことの大事さを感じた」「病態や手術侵襲に関する基本的な知識理解に踏まえ、その患者自身を捉えることも重要であることを改めて感じた」など、シミュレーション研修を通して疾患や病態理解を行うことはもちろんのこと、その人の訴えやニーズをとらえることも忘れてはいけないことに気づくことができていました。

次回は、「多重課題」をテーマとしてシミュレーション研修を実施します。1か月後、また、新人看護師の方の成長を願いながらお会いできることを楽しみにしています。


Comments are closed.